セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 192:

悪性十二指腸狭窄に対する十二指腸ステント留置により膵炎を発症した一例

演者 山内 夏未(札幌医科大学 第4内科)
共同演者 石渡 裕俊(札幌医科大学 第4内科), 林 毅(札幌医科大学 第4内科), 小野 道洋(札幌医科大学 第4内科), 神原 悠輔(札幌医科大学 第4内科), 宮西 浩嗣(札幌医科大学 第4内科), 佐藤 勉(札幌医科大学 第4内科), 佐藤 康史(札幌医科大学 第4内科), 瀧本 理修(札幌医科大学 第4内科), 小船 雅義(札幌医科大学 第4内科), 加藤 淳二(札幌医科大学 第4内科)
抄録 症例は60歳代女性。2011年12月に卵巣腫瘍に対し、両側付属器摘除術+子宮全摘出術+リンパ節郭清+虫垂切除+膣壁形成術を施行され、病理診断はmucinous adenocarcinoma StageIIIcであった。術後補助化学療法(TC療法)を2012年6月まで6コース施行され、PET-CTで再発を認めず、以後経過観察となっていた。しかし、9月より皮膚黄染・掻痒感を自覚し、10月に近医内科を受診した。血液検査にて黄疸・肝機能障害を指摘され、同日当科紹介、入院となった。造影CTでは、肝門部リンパ節が上部胆管から肝門部胆管へ浸潤しており、肝内胆管拡張を認め、リンパ節転移による閉塞性黄疸と診断した。膵には異常所見を認めなかった。減黄のため十二指腸鏡を挿入したが、十二指腸球部から下行部に腫瘍浸潤による狭窄を認め、ERCPは不能であった。同日十二指腸ステント(Niti-S 22mm×80mm, Taewoong Medical)を、十二指腸乳頭をまたぐように留置したが、夜間より腹痛が出現し、アミラーゼ値の上昇、CTで膵腫大、周囲の脂肪織濃度上昇を認め急性膵炎と診断した。ステントによる膵管口閉塞が原因と判断し、ステント抜去を試みることとした。留置翌日に十二指腸ステントの肛門側端を鉗子で把持し、内側に翻転するようにゆっくりと抜去した。その後、腹痛は改善、アミラーゼ値は低下し、急性膵炎は改善傾向となった。黄疸に対してはEUS-guided hepaticogastrostomy(EUS-HGS)を施行し改善した。十二指腸狭窄に対しては、胃空腸バイパス術を行い、再発卵巣癌に対して化学療法を開始可能となった。十二指腸ステント留置に伴う急性膵炎は稀な偶発症の一つである。しかし、二指腸乳頭部を含む下行部に狭窄があっても、膵管拡張がない症例に十二指腸ステントを留置する場合には念頭におく偶発症の一つと考えられた。通常十二指腸ステントは被覆のないuncovered typeであるために、抜去に難渋することが予想されるが、本例では留置翌日に十二指腸ステントを抜去することが可能で、膵炎は改善した。
索引用語 十二指腸ステント, 急性膵炎