セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 145:超音波内視鏡下、総胆管・十二指腸内瘻術を施行した一剖検例 |
演者 | 成瀬 宏仁(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科) |
共同演者 | 木下 賢治(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 原田 一顕(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 川本 泰之(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 大和 弘明(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 小川 浩司(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 畑中 一映(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 山本 義也(市立函館病院 消化器病センター 消化器内科), 工藤 和洋(市立函館病院 病理検査科), 下山 則彦(市立函館病院 病理検査科) |
抄録 | 今回我々は、経皮的、経乳頭的減黄困難な膵癌起因の閉塞性黄疸症例に対し、超音波内視鏡下十二指腸胆管内瘻術を施行し、剖検にてその効果を確認した症例を経験したので報告する。症例は74歳女性。2012.3月、腹部膨満感、皮膚黄染を主訴に近医受診し、肝・胆道系酵素上昇と黄疸を認め、精査加療目的に当科紹介入院となった。各種画像診断より、膵頭部癌、胆管浸潤による閉塞性黄疸、十二指腸浸潤による上部消化管通過障害と診断した。減黄術施行に当たり、十二指腸乳頭部は腫瘍浸潤の為、経乳頭的胆管ドレナージは不可能であった。また、腹水貯留の為、経皮経肝胆管ドレナージも困難であった。この為、EUS-FNA手技にて十二指腸球部より総胆管を穿刺して、ドレナージルートを確保し、これを拡張後、Full covered metal stentを一期的に留置して内瘻化した。十二指腸腫瘍浸潤部よりの滲出性出血による貧血の進行を認めたが、信仰上の理由から輸血拒否の申し出があったため、引きつずき、消化管出血の圧迫止血と、腸管内容物の胆管内逆流を防止し摂食可能とする目的で、内視鏡下十二指腸ステントを留置して十二指腸狭窄を解除した。この結果、死亡されるまで約一カ月、黄疸なく、貧血の進行なく経過し、三分粥程度の食事摂取が可能であった。死後、御家族の同意を得て剖検を施行したが、十二指腸と総胆管は完全に癒着し、内瘻化されていた。超音波内視鏡下十二指腸総胆管内瘻術の結果を剖検にて確認した報告は少なく、文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | EUS-CDS, 十二指腸ステント |