セッション情報 一般演題

タイトル 058:

当院における大腸腺腫・大腸癌に対する大腸3D-CT検査の診断精度の検討

演者 加藤 貴司(北海道消化器科病院・内科DELIMITER大腸3次元CT研究会)
共同演者 佐々木 清貴(北海道消化器科病院・内科), 木下 幸寿(北海道消化器科病院・内科), 藤澤 良樹(北海道消化器科病院・内科), 町田 卓郎(北海道消化器科病院・内科), 碇 修二(北海道消化器科病院・内科), 山田 裕人(北海道消化器科病院・内科), 中村 英明(北海道消化器科病院・内科), 加賀谷 英俊(北海道消化器科病院・内科), 目黒 高志(北海道消化器科病院・内科), 堀田 彰一(北海道消化器科病院・内科)
抄録 【目的】本邦における大腸3D-CT検査の精度検証を目的に多施設共同臨床試験JANCT(UMIN2097, NCT997802)が2009年より実施され、2012年に結果が公表された。大腸内視鏡検査(TCS)をゴールドスタンダードとして、6mm以上の大腸腺腫・大腸癌に対する患者別の感度、特異度、陽性適中率、陰性適中率は、それぞれ87%、92%、79%、95%と良好な成績であった。当院では同試験に202例の症例を登録した。当院の登録症例における大腸3D-CT検査の診断精度について検討した。【方法】JANCTではTCSの適応のある患者を対象とし、消化器内視鏡専門医が行ったTCSをゴールドスタンダードとして大腸3D-CT検査の精度評価が行われた。Primary endpointとして6mm以上の大腸腺腫・大腸癌に対する患者別感度が検討された。大腸3D-CT検査の前処置はPEG-C法(ニフレック+水溶性造影剤)で行われ、自動注入器による炭酸ガス注腸にて大腸3D-CT検査が施行された。当院は本試験に参加する以前にはPEG-C法による前処置や炭酸ガス自動注入器の使用経験はなかった。【成績】当院登録例のうちCT colonography Reporting And Data Systemによる読影評価で検査不良例を2例(1%)に認めた。当院における大腸3D-CT検査の成績は6mm以上の大腸腺腫・大腸癌に対する患者別の感度、特異度、陽性適中率、陰性適中率で、それぞれ87%、98%、94%、95%であり、試験全体の成績とほぼ同様であった。なお腸管拡張に伴う迷走神経反射例を1例(0.5%)に認めた。【結論】当院は大腸精検目的の大腸3D-CT検査の経験のない状態で本臨床試験に参加したが、大腸3D-CT検査の検査精度は試験全体の成績と比較しても遜色のない結果であった。大腸3D-CT検査は経験のない施設においても簡便に導入でき、さらに高い精度が期待できる検査法であるため、有用な大腸癌の精検法となる可能性があると思われた。
索引用語 大腸3D-CT, CTC