セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 149:超音波内視鏡下胆管十二指腸吻合術(EUS-CDS)後に胆管炎を繰り返した2例 |
演者 | 羽場 真(北海道大学 消化器内科) |
共同演者 | 河上 洋(北海道大学 消化器内科), 桑谷 将城(北海道大学 消化器内科), 川久保 和道(北海道大学 消化器内科), 工藤 大樹(北海道大学 消化器内科), 阿部 容子(北海道大学 消化器内科), 坂本 直哉(北海道大学 消化器内科) |
抄録 | 【背景】切除不能悪性中下部胆道狭窄に対する新たなドレナージ法として EUS-CDSの報告がみられるようになったが,偶発症の報告も増加している.今回,われわれは,EUS-CDS 後に十二指腸狭窄に起因した偶発症を経験したため報告する.【症例1】85 歳男性.2012 年 4 月,膵腫瘍を指摘されて当科紹介.多発肝転移を伴う膵頭部癌と診断し,化学療法を施行していたが,同年8月に黄疸が出現したため入院とした.減黄目的に十二指腸球部より総肝管へ金属ステント (Partially-covered WallFlex stent: Boston Scientific社製) を用いて EUS-CDS を施行した.施行時に十二指腸下行脚に狭窄を認めた.術翌日より経口摂取を開始したが,食後の胆管炎を繰り返した.内視鏡観察では,ステント遠位端は,狭窄部より口側の十二指腸球部に位置していた.十二指腸狭窄により食物残渣がステント内に入りやすくなっているものと考え,術後 11 日目に内視鏡によりステント遠位端を狭窄部より肛門側方向へ向けた.以降,経口摂取再開後も胆管炎を呈さず,現在までにステント不全症状なく経過している.【症例2】63 歳女性.2012 年 8 月,黄疸を主訴に当科入院となった.十二指腸・門脈・上腸間膜動脈周囲神経叢浸潤を伴う切除不能膵頭部癌と診断し,減黄目的に十二指腸球部より総肝管へ金属ステント(Partially-covered WallFlex stent)を用いてEUS-CDSを施行した.施行時に十二指腸下行脚の狭窄がみられた.術翌日より摂食後の胆管炎を生じた.術後 8 日目,症例 1 同様に内視鏡を用いてステント遠位端を肛門側に向けたが,その後も摂食後に胆管炎を繰り返したため,術後17日目に十二指腸狭窄部に対して金属ステント(uncovered Niti-S: Taewoong社製)を留置した.以降,現在までにステント不全症状を認めていない.【結語】十二指腸狭窄を伴う症例に対する金属ステントを用いたEUS-CDSは経乳頭的な金属ステント留置時と同様に逆行性胆管炎や早期閉塞が懸念され,留置の際には注意すべきである. |
索引用語 | EUS-CDS, 十二指腸狭窄 |