セッション情報 一般演題

タイトル 144:

大腸癌術後吻合部再発の診断にEUS-FNAが有効であった一例

演者 小野寺  学(網走厚生病院 内科消化器科)
共同演者 川岸 直樹(網走厚生病院 内科消化器科), 佐野 逸紀(網走厚生病院 内科消化器科), 阿部 暢彦(網走厚生病院 内科消化器科), 長 いく弥(網走厚生病院 内科消化器科), 内田 多久實(網走厚生病院 内科消化器科), 藤永 明(網走厚生病院 内科消化器科), 市原 真(札幌厚生病院 臨床病理科), 村岡 俊二(札幌厚生病院 臨床病理科)
抄録 【背景】大腸癌吻合部再発は癌細胞の吻合部へのimplantationにより生じるとされ,初期像は粘膜下腫瘍様の形態を呈し,その後周囲へ進展すると考えられている.また,EUS-FNAは病変が腸管内から観察可能であれば,あらゆる部位を穿刺し得,診断可能である.今回,吻合部周囲の腫瘤にEUS-FNAを施行し,大腸癌の吻合部再発を診断し得た症例を経験したので報告する.【症例】40才代,男性.2011年4月回腸や膀胱への浸潤が疑われるS状結腸癌に対して,S状結腸切除,回腸部分切除,膀胱部分切除を施行した.術後病理にて,周囲への浸潤はなく,pStageIIと診断し,6ヵ月間の経口抗癌剤による術後補助化学療法を施行した.手術から1年後にCEAが軽度上昇し,CTにて,吻合部周囲の腫瘤影,少量の腹水がみられた.腹水は穿刺不能で,下部内視鏡検査にて吻合部に粘膜下腫瘍様の隆起がみられ,生検にて悪性所見は得られなかった.粘膜下での再発を疑い,コンベックス内視鏡で観察したところ,吻合部周囲に25×13mmの低エコー性腫瘤がみられ,22G針でEUS-FNAを施行した.組織にて腺癌を得,手術検体と類似しており,大腸癌の再発と診断した.
索引用語 EUS-FNA, 大腸癌再発