セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 085:十二指腸ステント留置後に幽門側胃切除を施行した進行胃癌の1例 |
演者 | 岡川 泰(伊達赤十字病院 消化器科) |
共同演者 | 久居 弘幸(伊達赤十字病院 消化器科), 小柴 裕(伊達赤十字病院 消化器科), 和田 浩典(伊達赤十字病院 消化器科), 宮崎 悦(伊達赤十字病院 内科), 前田 喜晴(伊達赤十字病院 外科), 佐藤 正文(伊達赤十字病院 外科), 川崎 亮輔(伊達赤十字病院 外科), 行部 洋(伊達赤十字病院 外科), 中島 誠一郎(伊達赤十字病院 外科), 小野 道洋(札幌医大第四内科), 嘉成 悠介(札幌医大第四内科) |
抄録 | 十二指腸ステント留置術はgastric outlet obstruction (GOO)に対する治療として有用であり、保険収載に伴い近年使用される機会が増加している。切除不能悪性腫瘍によるgastric outlet obstructionが適応であり、切除可能な胃癌の場合は留置ステントが手術の障害となりうるため適応外となる。今回、当初手術を拒否され、十二指腸ステント留置後に根治手術を施行した進行胃癌の1例を経験したので、貴重な症例と考え報告する。症例は80歳代、男性。平成22年3月に近医で胃癌と診断され、高齢であることなどを理由にBSCとされていた。平成24年3月、Hb 4.6 g/dlと著明な貧血を指摘され、当科紹介入院となった。上部消化管内視鏡検査では幽門前庭部に全周性の2型腫瘍を認め、スコープの通過は不可能であった。貧血の原因は胃癌からの慢性持続性出血と診断し、赤血球輸血にて対応した。CTでは遠隔転移を認めず、全身状態からも根治手術は可能であることを説明するも、本人・家族の希望により施行せず、化学療法も希望されなかった。通過障害があるものの胃空腸吻合術も希望されなかったため、十二指腸ステント留置術を施行した。約4cmの狭窄に対し、uncovered Niti-S gastroduodenal stent (Taewoong Medical、径22mmx8cm)を留置し、gastric outlet obstruction scoring system (GOOSS)では留置前1から留置後3に改善し、同月退院となった。手技に伴う偶発症は認めなかった。その後、前医にて経過観察されていたが、平成24年7月に出血性ショックとなり、当科紹介。再度手術を勧めたところ同意が得られ、同年9月中旬、当院外科にて幽門側胃切除術が施行された。病理組織所見では、L、Circ、Type2、80×40mm、tub2>muc、pT2(MP)、int、INFb、ly1、v1、pN1(1/14)、pPM0、pDM0、Stage IIAであった。切除に伴う困難性はなく、術後28日後に転院となった。現在のところ再発は認めていない。 |
索引用語 | 十二指腸ステント, 胃癌 |