セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 138:

腸液標識大腸CTにおける撮像至適開始時間の検討

演者 溝口 亜樹(斗南病院消化器内科)
共同演者 平山 眞章(斗南病院消化器内科), 皆川 武慶(斗南病院消化器内科), 土井 綾子(斗南病院腫瘍内科), 上田 美和(斗南病院消化器内科), 木村 朋広(札幌医大第4内科), 庵原 秀之(札幌医大第4内科), 住吉 徹哉(斗南病院消化器内科), 辻 靖(斗南病院腫瘍内科), 由崎 直人(斗南病院消化器内科), 近藤 仁(斗南病院消化器内科), 高橋 祥(岩手県立高田病院内科), 黒岩 巌志(新潟県立小出病院内科), 加藤 貴司(北海道消化器病院内科), 永田 浩一(亀田メディカルセンター幕張消化器内科)
抄録 【背景・目的】大腸CTは欧米を中心に発展してきた大腸腫瘍性病変の新しい画像診断法で、本邦においてもその臨床応用が開始されている。大腸内視鏡検査などと同様に前処置を施行するが、近年、X線陽性造影剤で腸液を標識(tagging)することにより、診断精度の向上が期待されている。従来のPolyethylene glycol(PEG)とガストログラフィンを用いるPEG-C法によるtaggingでは排便回数8回以上で大腸CT撮像を開始していたが、個体間によるtaggingのばらつきが認められた。そこで今回、PEG-C液にインジゴカルミン(IG)を混和し、その色素を確認することにより大腸CT撮像至適開始時間を検討した。【対象・方法】対象はインフォームドコンセントを得た15例である。PEG液1620ml、5%ガストログラフィンを含むPEG液(PEG-C)200mlにIG20mgを混和した0.1%IG混和PEG-C液、PEG-C液200mlを順に服用し、排便にて色素を確認後、大腸CTを撮像した。回盲部、横行結腸、下行結腸、直腸のCT値を測定した。CT装置は東芝製Aquilion64(64DAS)で120kV,Volume EC,0.5mmx64,HP53,0.5sec/rotと設定した。ワークステーションはAZE Virtual Place,ZIO M900 Quadraを用い、画像を再構成し多断面再構成画像(MPR像)を作製した。【結果】IG混和PEG-C液服用後、1-4時間で色素が確認可能であった。CT値は回盲部、横行結腸、下行結腸、直腸で各々247.7±89.4、252.7±87.4、254.0±91.8、217.8±79.7H.F.U.であった。また、明らかな合併症は認められなかった。【結語】IG混和PEG-C液は大腸CT撮像至適開始時間を推定することが可能であり、大腸CT tagging像も良好に得られ、頻回な排便チェックがほぼ不要となるのみならず、安全で有用と考えられた。
索引用語 大腸CT, tagging