セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 083:イレウス管が誘因と考えられる小腸腸重積症を合併した盲腸癌の1例 |
演者 | 中野 洋一郎(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科) |
共同演者 | 竹内 幹也(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター外科), 本間 久登(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科), 古川 勝久(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科), 高橋 稔(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科), 大井 雅夫(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科), 秋山 剛英(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科), 吉田 真誠(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科DELIMITER札幌医科大学 第4内科), 平田 健一郎(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター内科), 女澤 愼一(札幌共立医院 消化器内科) |
抄録 | 症例は83才女性。糖尿病にて近医定期受診中の平成24年6月、一か月前からの便秘、腹痛の精査目的にて紹介入院。大腸内視鏡にて、回盲部狭窄をともなう盲腸腫瘍を認めた。腸閉塞を合併したため第12病日からイレウス管による減圧を開始した。血糖コントロール、術前の心肺機能評価しつつ手術待機中であった第30病日にイレウス管の排液量の減少と腹痛が増強したため、CT画像評価したところ、腹部CTにおいて、小腸ガスの増加や腹水といった腸閉塞の増悪所見ならびに横断像にて層状構造物を認めため、同日緊急開腹手術となった。手術所見では、回腸は約1mに及び浮腫・緊満を認め、口側回腸が肛側回腸へ陥入する腸重積の状態となっていた。先進部は肛門側80cmの部位にありバルーンは虚脱していた。Hutchinson手技により徒手整復したところ、腸管の色調の改善を認めたため血行障害は可逆的と判断した。次に盲腸・回腸終末部腫瘍に対し回盲部D1切除し、単孔式人工肛門を設置して手術終了した。盲腸癌の病理組織結果は、type3 、3.5cm大、tub2 、pSE、 pN0 の結果であった。後日、腸管浮腫改善したところで、腸管吻合し人工肛門閉鎖術を施行した。 イレウス管を誘因として腸重積が発症することが知られているが、イレウス管からの排液量の減少や画像上の増悪を認めた場合は、腸重積の発症を念頭において迅速な検索が必要であると考えられた。若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 腸重積, イレウスチューブ |