セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | 072:膵癌腹膜播種による多発消化管閉塞に対し大腸ステント留置と経皮内視鏡的胃瘻腸瘻造設(PEG-J)が症状緩和に有効であった1例 |
演者 | 秋山 剛英(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター 内科) |
共同演者 | 本間 久登(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター 内科DELIMITER札幌共立医院 消化器内科), 大井 雅夫(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター 内科), 高橋 稔(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター 内科), 中野 洋一郎(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター 内科), 吉田 真誠(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター 内科DELIMITER札幌医科大学 第四内科), 古川 勝久(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター 内科), 平田 健一郎(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター 内科), 竹内 幹也(札幌共立五輪橋病院 消化器病センター 外科), 女澤 愼一(札幌共立医院 消化器内科) |
抄録 | 今回我々は、腹膜播種による消化管閉塞をきたした膵癌症例に対し、大腸ステント留置と経皮内視鏡的胃瘻腸瘻造設(PEG-J)を行い、著しい症状緩和とQOLの改善が得られた1例を経験したので報告する。【症例】28歳、女性。2011年6月、腹痛を主訴に前医を受診し、膵体部癌・腹膜播種と診断された後、同年8月より塩酸ゲムシタビン(GEM)による全身化学療法を施行された。腫瘍マーカー値の上昇と腸閉塞の発症を認め、2012年4月、同医に入院となり、経鼻的にイレウス管を挿入された。その後、さらなる加療を目的に同年6月14日当科紹介入院となった。入院直後の腹水細胞診の結果はClass Vであった。イレウス管抜去に対する若年女性患者の強い要望に応えるため、まず癌性腹膜炎に対する治療後に、消化管の減圧を目的として、経皮的胃壁固定術を併用した胃瘻造設(PEG)を行い、イレウス管を抜去した。オクトレオチド酢酸塩の持続皮下投与を併用し、水分と流動食の摂取を開始したが、約2ヶ月間後に腸閉塞を発症した。一時的に経鼻的イレウス管を再挿入したが治療効果が不十分であったため、9月に経肛門的イレウス管を挿入したところ、多量の泥状便の排出とともに症状の改善を認めた。ガストログラフィンによるイレウス管からの造影所見でS状結腸および横行結腸に高度狭窄と小腸に多発狭窄が確認されたため、まず結腸狭窄に対して大腸ステント留置術を行った。次に多発小腸狭窄に対しては上部消化管の減圧を目的として、11月にPEG-J造設を行った。これらの手技により、胃液や腸管ガスの排出路が確保されたため、水分と流動食の摂取が可能となったばかりでなく、経鼻的イレウス管挿入に伴う身体的・精神的苦痛を解決できたことで外出泊も可能となり、患者のQOLは劇的に改善した。 |
索引用語 | 膵癌, 腹膜播種 |