セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 033:VTTQ (virtual touch tissue quantification)法により膵硬度の上昇が示唆された自己免疫性膵炎の1例 |
演者 | 石川 和真(王子総合病院 消化器内科) |
共同演者 | 土居 忠(王子総合病院 消化器内科), 奥田 敏徳(王子総合病院 消化器内科), 松野 鉄平(王子総合病院 消化器内科), 植村 尚貴(王子総合病院 消化器内科), 南 伸弥(王子総合病院 消化器内科), 橋本 亜香利(王子総合病院 血液腫瘍内科), 藤見 章仁(王子総合病院 血液腫瘍内科), 蟹澤 祐司(王子総合病院 血液腫瘍内科) |
抄録 | 【はじめに】VTTQ (virtual touch tissue quantification)法はARFI (acoustic radiation force impulse)を用いる新しい組織硬度評価法であり、肝線維化評価をはじめ、様々な分野で臨床応用が行われつつある。今回我々はVTTQによる測定で膵硬度上昇が示唆された自己免疫性膵炎(AIP)の1例を経験したので報告する。【症例】71歳、男性。健康診断にて胆道系酵素の上昇を指摘され、2012年10月、当科初診。腹部エコーにて総胆管の軽度拡張と全周性壁肥厚を認め、精査加療目的で入院となった。CTでは膵のソーセージ様腫大と周囲のcapsule-like rim、上中部胆管壁肥厚と下部胆管の狭窄を認めた。EUSでも総胆管の壁肥厚と膵腫大および内部低エコー化と斑状高エコーを認めた。ERCPではび漫性の膵管狭細像と上中部胆管の壁不整と下部胆管の締め込み様の狭窄を認め、IDUSでは上中部胆管壁は全周性に肥厚していた。胆管および膵管生検ではIgG4陽性形質細胞浸潤を認め、血清IgG4 1240 mg/dlと合わせてAIP/ IgG4関連硬化性胆管炎と診断した。 膵硬度の測定はSIEMENS社製ACUSON S3000を用い、通常のBモード観察に引き続いてARFIモードで、せん断弾性波速度を測定した。健常人(n=5)での膵硬度は1.08 ± 0.16(m/s)であったのに対してAIP症例では1.54 (m/s)と高いことが示唆された。【結語】膵硬度の上昇が示唆されたAIP症例を経験した。今後さらに膵硬度測定の臨床応用について検討する必要がある。 |
索引用語 | 自己免疫性膵炎, VTTQ |