セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 171:進行肝細胞癌に対する病期別Sorafenib療法と肝動注化学療法の治療成績 |
演者 | 荘 拓也(北海道大学大学院医学研究科 消化器内科DELIMITER市立稚内病院 内科) |
共同演者 | 中馬 誠(北海道大学大学院医学研究科 消化器内科), 山本 義也(市立函館病院 消化器内科), 中西 満(北海道大学大学院医学研究科 消化器内科), 小川 浩司(市立函館病院 消化器内科), 目黒 高志(北海道消化器科病院 内科), 永坂 敦(市立札幌病院 消化器内科), 中村 路夫(市立札幌病院 消化器内科), 川村 直之(札幌北楡病院 消化器内科), 武藤 修一(苫小牧市立病院 消化器内科), 上林 実(北見日本赤十字病院 消化器内科), 曽我部 進(釧路労災病院 内科), 寺下 勝巳(北海道大学大学院医学研究科 消化器内科), 佃 曜子(北海道大学大学院医学研究科 消化器内科), 常松 聖司(北海道大学大学院医学研究科 消化器内科), 小林 智絵(北海道大学大学院医学研究科 消化器内科), 須田 剛生(北海道大学大学院医学研究科 消化器内科), 夏井坂 光輝(北海道大学大学院医学研究科 消化器内科), 工藤 峰生(札幌北楡病院 消化器内科), 宮城島 拓人(釧路労災病院 内科), 坂本 直哉(北海道大学大学院医学研究科 消化器内科) |
抄録 | 【目的】進行肝細胞癌におけるSorafenibと肝動注化学療法の治療成績を比較し、病期別の有効な治療法について検討した。【方法】2002年10月から2011年10月までに進行肝細胞癌(stage III, IVA,B)に対して、肝動注療法を施行後 Sorafenibの内服が行われなかった93例(H群)とSorafenibが投与された後肝動注療法が施行されなかった83例(S群)を対象とし、両群における病期別の1)治療効果、2)生存率を比較検討した。【成績】両群:H群vs S群の背景因子として、平均年齢:61.6 vs 67.0歳、性(男性/女性):78/15例vs 64/19例、Child-Pugh(A/B/C):54/37/2例vs 72/11/0例 (P<0.05)、主病巣の大きさ:77mm vs 62mm(P<0.001)、Stage (III/IVA/VB):27/51/15 vs 27/17/39、門脈腫瘍塞栓(VP有/無):56/35 vs 27/56例(P<0.001)であり、H群でVPを伴い、腫瘍径が大きく肝予備能が低下している傾向であった。1)6週後RECICT評価での奏功率は、H群30.1%, S群3.7% (P<0.05)であったが、病勢制御率(CR+PR+SD)はH群 68.9%、S群57.9% (P= 0.68)であった。病期別の病勢制御率は、H群 vs S群:Stage III;80.0% vs 66.7%(P= 0.68)、IVA;76.5% vs 47.0% (P<0.05)、IVB;40.0% vs 56.4% (P= 0.28)であり、IVAではH群が良好であった。2)病期別のMSTについては、Stage III:H群/S群;15.1/16.3ヶ月(P= 0.41)、IVA: H群/S群; 10.1/4.2ヶ月(P<0.05)、IVB: H群/S群; 4.0/10.0ヶ月(P<0.05)、IVAに関してはH群、IVBではS群が良好であったが、IVBのS群でVP有/無のMSTは3.5/12.3ヶ月(P<0.05)であり、VPを伴うIVBではH群、S群ともに予後不良であった。【結語】進行肝細胞癌において、病勢制御、生命予後の面よりstage IVAでは肝動注療法がsorafenibより有効であることが示唆された。またVPを伴わないstage IVBではsorafenib治療が有効と考えられたが、stage IVBのVP症例は更なる治療法の改善が望まれる。謝辞;北海道医療センター 大原行雄、木村宗士、NTT札幌病院 赤倉伸亮、堀本啓大、札幌社会保険総合病院 吉田純一、高木智史、愛育病院 佐賀啓良、札幌センチュリー病院 岡本宗則 |
索引用語 | Sorafenib, 肝動注療法 |