セッション情報 一般演題

タイトル 152:

当科における超音波内視鏡下胆嚢ドレナージ術の臨床成績

演者 工藤 大樹(北海道大学病院 消化器内科)
共同演者 河上  洋(北海道大学病院 消化器内科), 桑谷 将城(北海道大学病院 消化器内科), 川久保 和道(北海道大学病院 消化器内科), 羽場 真(北海道大学病院 消化器内科), 阿部 容子(北海道大学病院 消化器内科), 坂本 直哉(北海道大学病院 消化器内科)
抄録 【背景】超音波内視鏡下胆嚢ドレナージ術(EUS-GBD)は症例報告が散見されるのみである.適応や手技・処置具の標準化,安全性の確立はなされておらず,課題は多い.【目的】EUS-GBDの臨床成績を検討し,手技の有効性,安全性を明らかにすること.【対象】2012年1月~12月の間,当科でEUS-GBDを施行した急性胆嚢炎5例6手技.外科的切除適応がないと判断した症例に対して,十分なinformed consentを得た上でEUS-GBDを施行した.【検討項目】 (1) 患者背景, (2) 胆嚢炎発症から手技施行までの期間,(3) 手技内容,(4) EUS-GBD術後から経口摂取開始までの期間,(5) 追加治療の有無,(6) 合併症,とした.【結果】(1) 男女比3:2,平均年齢68歳,基礎疾患は切除不能悪性腫瘍4例,間質性肺炎増悪1例.(2) 胆嚢炎発症から手技までの期間は平均11 (1-27)日.(3) 穿刺針はいずれも19G針を用い,十二指腸球部より穿刺した.留置ステントはプラスティックステント3例,外瘻1例,金属ステント1例.手技成功率は80%(4/5)であった.(4) EUS-GBD後から経口摂取開始までの平均期間は7 (1-13)日.(5) EUS-GBD施行後の平均観察期間は170 (27-264) 日.5例中1例はEUS-GBD後12日目に胆嚢炎が再燃し,EUS-GBDを追加した.5例中4例は保存的加療で胆嚢炎治療完遂可能で,経皮的治療や外科的手術は要さなかった.(6)1例は処置中にステントの胆嚢内迷入をきたし,経皮的ドレナージ術後に胆嚢摘出術を行った.その他の5手技に合併症はみられなかった.【結語】EUS-GBDは外科的治療困難な胆嚢炎症例に対して有効な治療法となり得る.症例の蓄積により方法論と安全性の確立が望まれる.
索引用語 胆嚢炎, 超音波内視鏡