セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 166:Fibrolamellar hepatocellular carcinoma(FLC)の一例 |
演者 | 江平 宣起(北見赤十字病院 消化器内科) |
共同演者 | 柳原 志津妃(北見赤十字病院 消化器内科), 佐藤 史幸(北見赤十字病院 消化器内科), 久保 公利(北見赤十字病院 消化器内科), 水島 健(北見赤十字病院 消化器内科), 岩永 一郎(北見赤十字病院 消化器内科), 上林 実(北見赤十字病院 消化器内科), 山口 晃司(北見赤十字病院 外科), 神田 誠(北見赤十字病院 病理) |
抄録 | Fibrolamellar hepatocellular carcinoma(FLC)は多量の層状細線維を有する特徴的な組織像の肝細胞癌で、全肝細胞癌の1-2%であり若年者に多い。予後が典型的な肝細胞癌に比し良いという特徴も有するが、画像診断上はいくつかの特徴を有するものの限局性結節性過形成などの肝内占拠病変との鑑別も問題となる。 【症例】70代男性 【現病歴】近医にてtransaminaseの上昇と肝内占拠性病変を指摘され、当科紹介受診となる。HBV、HCV感染はなく、飲酒歴も機会飲酒程度であった。腫瘍マーカーはAFP、PIVKA-2の上昇を認めなかった。肝ダイナミックCTで、肝S6/7、S5に腫瘍を指摘されたものの典型的なHCCとは言い難く上部消化管、下部消化管、胸部CTをはじめ肝臓以外の悪性所見を否定の上、造影MRI、エコーを行ったが質的診断は得られなかった。原発巣の再評価のためPET-CTも撮像。肝S6/7の病変には腫瘍周囲のSUV値の上昇をみとめたが、肝S5の病変には集積を認めなかった。隣接する病変の造影効果、SUV値の差異からも質的診断が困難であったが、初診から約2か月後の造影CTにて腫瘍の増大傾向があったため当院外科にて肝切除術施行。 【手術所見】肝2区域切除術施行 【病理所見】T4N0M0 stageIVA顕微所見での組織像は肝細胞としての特徴を有し、類洞をもつ索状構築を認めた。癌巣は特徴的な層状、バンド状の膠原線維にとり囲まれていた。細胞は好酸性であり、少数ではあるが透明な封入体・球状硝子体を有し、特殊染色ではCK7(+)、CK20(+)、AE1/AE3(+)を主として、AZAN、Masson-T染色で膠原線維を認めFLCと診断された。 【経過】術後のCTで肺転移が疑われ現在ネクサバール内服し経過観察中である。今回我々は若干の文献的考察を加え、術前診断に苦慮したFLCを報告する。 |
索引用語 | FLC, 画像診断 |