セッション情報 一般演題

タイトル 188:

膵神経内分泌腫瘍(PNET)との鑑別が困難であった十二指腸GISTの一例

演者 下田 瑞恵(遠軽厚生病院 内科)
共同演者 佐々木 貴弘(遠軽厚生病院 内科), 石川 千里(遠軽厚生病院 内科), 武藤 桃太郎(遠軽厚生病院 内科), 井上 充貴(遠軽厚生病院 内科), 高橋 裕之(遠軽厚生病院 外科), 萩原 正弘(遠軽厚生病院 外科), 青木 貴徳(遠軽厚生病院 外科), 橋本 道紀(遠軽厚生病院 外科), 稲葉 聡(遠軽厚生病院 外科), 矢吹 英彦(遠軽厚生病院 外科)
抄録 【症例】50歳代女性【現病歴】von Recklinghausen病(以下vR病)、小腸GIST術後で当科定期通院中であった。平成24年4月にCT検査を施行したところ、膵頭部に径8mmの比較的境界明瞭で、動脈相から後期相まで強い造影効果が持続する腫瘤を認めた。超音波内視鏡検査では、膵頭部に内部エコー均一で後方エコー増強を伴う低エコー腫瘤を認めた。ERPで膵管に異常所見を認めなかった。尚、上部消化管内視鏡検査では十二指腸に異常所見を認めなかった。以上より膵内分泌腫瘍を第一に疑い、超音波ガイド下針生検(EUS-FNA)を施行したが、病理結果では悪性所見を認めなかった。本人と相談し、一旦経過観察となったが、その後本人が強く手術を希望したため、11月に幽門輪温存膵頭十二指腸切除術手術を行う方針となった。 術中所見は、膵頭部に腫瘤性病変を認めたが、膵よりも十二指腸との癒着が強かった。術中迅速病理診断で、PNETや上皮性腫瘍は否定的で、間葉系腫瘍を疑う所見であったため、膵頭部腫瘍核出術で終了した。切除標本の病理組織学的所見は、腫瘍は十二指腸筋層由来で、c-kit(+), CD34(-), S-100(-), desmin(-),MIB-1indexは1%以下であり、low riskの十二指腸GISTの診断となった。【まとめ】GISTの発生部位として十二指腸の発生率は数%である。GISTは造影CT検査でPNETと所見が類似しており、膵腫瘍との鑑別が困難であることが多い。本症例はvR病であるが、本疾患では3.9~25%の頻度で消化管間葉系腫瘍の合併がみられ、GISTとの合併例も報告されるようになってきているvR病と合併して膵腫瘍との鑑別が困難であった十二指腸GISTの1例を経験したので文献的考察を含めて報告する
索引用語 十二指腸GIST, 膵神経内分泌腫瘍