セッション情報 シンポジウム1「高齢者における消化管疾患の診断・治療の問題」

タイトル S1-10:

高齢者消化器癌に対する治療-消化管閉塞のマネージメント-

演者 平山 敦(札幌厚生病院 第二消化器科)
共同演者 宮川 宏之(札幌厚生病院 第二消化器科), 長川 達哉(札幌厚生病院 第二消化器科), 岡村 圭也(札幌厚生病院 第二消化器科), 奥 大樹(札幌厚生病院 第二消化器科), 北川 翔(札幌厚生病院 第二消化器科)
抄録 [目的]消化管閉塞は消化器癌の終末期においてかなりの頻度で対応を迫られる病態であり殆どの事例が全身状態不良の高齢者である.今回消化管閉塞に対しての当科の取り組みについて報告する.[方法]75歳以上の後期高齢者を高齢者と定義する.当科の消化管ドレナージ術には消化管ステント留置術,PEG,PTEG,経鼻胃管, 薬物療法としてオクトレオチド酢酸塩持続皮下注などがある.過去10年間当院で施行した消化管ステント112例,PEG3例,PTEG15例,経鼻胃管20例,オクトレオチド酢酸塩などの薬物療法23例を対象とし,症状改善率,期待できる症状改善内容,合併症,この結果から想定される各手技の適応と禁忌また著効例の特徴および困難症例について高齢者特有の問題点を明かにする.[結果]各手技の期待される効果が違うため比較は難しいが消化管ステントの112例中98例で流動食以上の摂取が可能であった.術前食欲を有する症例PS0と1の症例では改善傾向が顕著だった.PEGでは経過中高齢者の2例共誤嚥性肺炎を合併した.PTEGでは症状改善率100%であったが,末期高齢者の1例で誤嚥性肺炎を合併した.経鼻胃管では全身状態不良の高齢者5例で症状改善の確認が不明であり,鼻腔痛,咽頭痛を10例,病態末期の誤嚥性肺炎を6例で経験した.誤嚥性肺炎は全て高齢者であった.経鼻胃管からPTEGに変更した5例全例で鼻腔痛,咽頭痛の改善を得た.癌侵潤による胃内狭小に伴い経鼻胃管ドレナージ不良となりPTEG留置し食道下端に先端を固定したところドレナージ良好となった.PTEG施行例は全身状態不良高齢者が殆どの為ドレナージ最適位置はPTEG処置時に丁寧に確認すべきである.PTEGドレナージ不良例で,大口径カテーテルに変更,持続吸引としドレナージ改善した症例を経験した.PTEGカテーテル,延長チューブ,コネクターの大口径のキットが望まれる.[結論]消化器癌消化管通過障害は全身状態不良高齢者のことが殆の為処置は低侵襲が望まれる.全手技でほぼ高齢者のみ誤嚥性肺炎を経験した.またPTEGは高齢者自己抜去においても安全で全身状態不良高齢者のドレナージ最終手段として必要な手技である.
索引用語 消化管閉塞, 消化管ステント