セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 133:ダブルバルーン小腸内視鏡で診断した放射線性小腸炎、回腸狭窄の1例 |
演者 | 堂腰 達矢(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野) |
共同演者 | 井尻 学見(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 岡田 哲弘(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 坂谷 彗(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 安藤 勝祥(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 河本 徹(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 上野 伸展(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 後藤 拓磨(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 富永 素矢(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 稲場 勇平(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 伊藤 貴博(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 田邊 裕貴(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 藤谷 幹浩(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野), 高後 裕(旭川医科大学内科学講座 消化器・血液腫瘍制御内科学分野) |
抄録 | 症例は60歳代女性。2008年子宮頚癌の為放射線化学療法を受けた。2009年4月腹痛が出現したため当科に紹介され、下部消化管内視鏡検査で直腸に面状潰瘍を認め放射線性腸炎と診断された。整腸剤などの内服治療を継続し潰瘍性病変はしだいに改善し経過観察となった。2012年9月下痢、嘔気が出現し当科を受診し、腹部CTで小腸イレウスと診断され同日入院となった。イレウス管留置の上保存的に治療したところ、イレウスは速やかに改善した。イレウス管からの造影では回腸は母指圧痕像を認め腸管の浮腫状変化も疑われたが造影剤の通過は良好であった。しかし、イレウス管抜去後食事再開に伴いイレウス状態を繰り返した。小腸造影を行ったが肛門側回腸は造影不良であったため、小腸カプセル内視鏡を行う方針としてパテンシーカプセル検査を施行した。パテンシーカプセルは3日後まで回腸に停滞し、通過障害が疑われ経肛門的ダブルバルーン小腸内視鏡を施行した。回腸はびまん性に浮腫状粘膜を呈し、回盲弁より口側50cmに高度の狭窄を認めた。画像検索から、炎症腸管は骨盤内に限局しており残存小腸を十分に残せると判断し反復するイレウスに対し小腸部分切除術を施行した。術中所見では回腸狭窄部にパテンシーカプセルの非溶解部分の残存を認めた。病理所見でも放射線による組織障害に矛盾しない所見であり、放射線性腸炎による狭窄と最終診断した。放射線性腸炎は、粘膜障害によって下痢や血便などを来す早期障害と粘膜固有層以深の障害によって、狭窄や瘻孔を来す晩期障害がある。その頻度は婦人科疾患においては20%程度と報告されており、内視鏡診断例も増加してきている。今回我々は、放射線性腸炎によりパテンシーカプセルで開通性を認めない高度の回腸狭窄を呈し外科切除を施行した症例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 小腸, 放射線 |