セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
---|---|
タイトル | 010:壁外発育型小腸GISTの2例 |
演者 | 中嶋 駿介(市立旭川病院 消化器病センター) |
共同演者 | 杉山 隆治(市立旭川病院 消化器病センター), 鈴木 聡(市立旭川病院 消化器病センター), 中村 和正(市立旭川病院 消化器病センター), 助川 隆士(市立旭川病院 消化器病センター), 小澤 賢一郎(市立旭川病院 消化器病センター), 千葉 篤(市立旭川病院 消化器病センター), 垂石 正樹(市立旭川病院 消化器病センター), 斉藤 裕輔(市立旭川病院 消化器病センター) |
抄録 | 今回我々は壁外発育型小腸GISTを2例経験し,その特徴について若干の文献的考察を加えて報告する. 症例1:70歳代男性,腹部腫瘤を自覚し近医にて精査したところ肝に多発腫瘍を認め,当科を紹介受診となった.腹部CTにて小腸の壁肥厚と多発肝腫瘍を認めた.小腸造影および小腸内視鏡検査にて骨盤内空腸に壁外性に発育するφ5cm大のSMTを認め,粘膜面に潰瘍を形成していた.空腸部分切除により原発巣を切除し,組織学的にGISTの診断となった.術後肝転移に対してイマチニブ400mg/dayにて加療中である. 症例2:60歳代女性,心窩部痛を自覚し近医を受診したところ腹部腫瘤を認め,精査目的に当科を紹介受診した.腹部CTにて腸間膜を占拠する巨大腫瘤を認め,小腸内視鏡検査および小腸造影検査では十二指腸由来のSMTと診断し,手術を施行した.手術所見では十二指腸および回腸から発生した2個の腫瘍で,十二指腸および回腸の部分切除にて腫瘍を摘出し,最大径17cmおよび7.5cmの巨大腫瘍2個を摘出した.いずれも組織学的にGISTと診断された.術後イマチニブ400mg/dayにて加療中である. 小腸GISTはGIST全体の約20%程度であり,比較的稀であるが,早期発見が難しく予後不良のことが多い.本邦では,近年小腸内視鏡やカプセル内視鏡の普及により,術前に診断される症例が増加している.しかし,本症例のような壁外発育型GISTは,粘膜面に露出している部分が腫瘍全体のごく一部である場合があり,小腸内視鏡やカプセル内視鏡のみでは全体像の把握が難しいことが多い.そのためCTやMRIなど他のモダリティとの組み合わせにより全体像を把握し診断することが重要である. |
索引用語 | GIST, 壁外発育型 |