セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 042:

4年間のペグインターフェロン少量単独長期投与によってSVRが得られたジェノタイプ1b、高ウイルス量のC型肝硬変の1例

演者 林 秀美(旭川赤十字病院 消化器内科)
共同演者 細木 卓明(旭川赤十字病院 消化器内科), 河端 秀賢(旭川赤十字病院 消化器内科), 富永 三千代(旭川赤十字病院 消化器内科), 伊東 誠(旭川赤十字病院 消化器内科), 岡本 耕太郎(旭川赤十字病院 消化器内科), 藤井 常志(旭川赤十字病院 消化器内科), 長谷部 千登美(旭川赤十字病院 消化器内科)
抄録 症例は70歳代女性。2002年にC型慢性肝炎を指摘され、2回のIFN単独治療では無効、2004年からPegIFNα2aによる治療を開始したがRNAの陰性化なく3ヶ月で中止、その後エコー下肝生検でA1/F1の所見を確認し、2005年4月から48週間のPegIFNα2b+リバビリンの併用治療を行った。しかしRNAの陰性化が44週目と遅かったため、48週の治療後にPegIFNα2a単独治療を開始した。以後RNA陰性が持続していたため、1年後からは隔週投与として継続、肝機能検査値も正常で経過していた。2010年12月にスクリーニングCTで肝S3に径10mmのHCCを指摘され、当院外科で部分肝切除術を施行された。切除標本の病理所見では単純結節型の中分化型HCCで、背景肝はF4との診断であった。その際にPegIFN治療を一旦終了としたが、術後もHCV RNAは陰性を持続し、6ヶ月後にSVRの判定となった。その後食道静脈瘤の治療を要したが、ALT値は正常、Child-Pugh Aの状態を維持している。本症例は、PegIFN・リバビリン併用治療のみで治療を終えると再燃の可能性が高いと考えられたために単独長期投与を施行してSVRを得られており、このような症例に対する抗ウイルス治療長期継続の意義を示唆している。また、2005年にF1と診断された後、長期間にわたり抗ウイルス治療によりRNA陰性を持続しえたにもかかわらず背景肝の線維化ステージがF4と診断されている点も大変興味深い症例と考えられる。
索引用語 C型肝硬変, インターフェロン