セッション情報 一般演題

タイトル 110:

当院で経験したCronkhite-Canada症候群の3症例

演者 道上 篤(札幌厚生病院 胃腸科)
共同演者 鈴木 肇(札幌厚生病院 胃腸科), 前田 聡(札幌厚生病院 胃腸科), 賀集 剛賢(札幌厚生病院 胃腸科), 西園 一郎(札幌厚生病院 胃腸科), 乙黒 雄平(札幌厚生病院 胃腸科), 寺門 洋平(札幌厚生病院 胃腸科), 菊池 仁(札幌厚生病院 胃腸科), 西岡 均(札幌厚生病院 胃腸科), 萩原 武(札幌厚生病院 胃腸科), 小澤 広(札幌厚生病院 胃腸科), 黒河 聖(札幌厚生病院 胃腸科), 今村 哲理(札幌厚生病院 胃腸科)
抄録 Cronkhite-Canada症候群(Cronkhite-Canadasyndrome;CCS)は消化管ポリポーシスに脱毛,皮膚色素沈着,爪甲異常などの外胚葉病変をともなう非遺伝性のまれな疾患である.中高年以降の発症が多く,初発症状の大部分が下痢であり,それと共に外胚葉系異常が顕著になるとされている.今回我々は2006年4月から現在までにおいて当院で経験したCCS症例に対して臨床所見,画像所見,治療法について検討したので報告する.症例は3例で男性2例,女性1例,平均年齢は70.7歳であった.症状は下痢を全例で認め,腹痛を2例で認めた.また脱毛,爪甲委縮,味覚異常といった外胚葉病変を全例で認めた.検査所見では全例で低蛋白血症を認めた.上下部消化管内視鏡検査では胃,大腸にびまん性にポリープが密在しており,発赤・浮腫状を呈していた.治療は全例で副腎ステロイド剤の投与が行われ症状の改善を認め,治療後の上下部消化管内視鏡検査ではポリープは縮小していた. CCSの消化管ポリープは非腫瘍性のポリープで癌の合併はまれであるとされてきたが,近年CCSの報告例の増加,予後の改善に伴い消化管癌合併例が数多く報告されており,今後も厳重な経過観察が必要である.
索引用語 ポリポーシス, 外胚葉病変