セッション情報 一般演題

タイトル 080:

当院におけるPillcam Patency Capsuleの初期使用経験

演者 佐々木 きよたか(北海道消化器科病院)
共同演者 加藤 貴司(北海道消化器科病院), 木下 幸寿(北海道消化器科病院), 藤澤 良樹(北海道消化器科病院), 町田 卓郎(北海道消化器科病院), 碇 修二(北海道消化器科病院), 山田 裕人(北海道消化器科病院), 中村 英明(北海道消化器科病院), 加賀谷 英俊(北海道消化器科病院), 目黒 高志(北海道消化器科病院), 堀田 彰一(北海道消化器科病院)
抄録 <はじめに>2012年7月よりGiven imaging社のカプセル内視鏡の適応疾患が、OGIBから全小腸疾患へと拡大された。カプセル内視鏡検査においては、合併症として小腸狭窄による滞留が危惧される。Pillcam Patency Capsuleは30時間以降崩壊するバリウムカプセルにて、SB2+カプセルと同サイズであり、小腸狭窄の疑われる症例に際し、先行して施行し開通性の有無を判定することにより、これまでカプセル内視鏡検査の禁忌であった、クローン病などへの応用が期待される。今回我々は、非OGIB症例におけるカプセル内視鏡の結果、カプセル内視鏡適応拡大後の症例ならびにPillcam Patency Capsule施行症例につき検討をおこなった。<方法>当院にて施行された非OGIB症例におけるカプセル内視鏡検査、適応拡大後のカプセル内視鏡検査およびPatency Capsule施行した症例につき統計学的検討をおこなった。<結果>これまで当院に施行されたカプセル内視鏡検査は368例で、OGIBに対する精査が例(%)で非OGIB症例が例(%)であった。非OGIBに対する精査は悪性リンパ腫など腫瘍精査が%、腹痛などの精査が%であり、病変発見率は%であった。適応拡大後は非OGIBに対する精査は%であり、これまで禁忌とされてきたクローン病や狭窄の疑われ症例に対しても、Patency Capsuleにて開通性を確認後施行した。Patency Capsuleを施行した5例においてはIBDが3例、小腸炎による狭窄疑いが2例で、5例中2例が非開通と判断された。SB2+カプセルを施行しえた症例にてはクローン病の活動性評価や、小腸炎の評価を検討することが可能となり有用であった。<まとめ>カプセル内視鏡の適応が拡大されたことにより、より多くの疾患の同定や病勢の評価に活用されることが望まれる。Patency Capsuleによる開通性評価については、カプセル非排出例に対するX線評価など評価困難例もあり今後検討が必要と考える。
索引用語 小腸, Patency Capsule