セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 081:顕性小腸出血におけるカプセル内視鏡検査施行後バルーン内視鏡検査施行の判断基準 |
演者 | 藤田 朋紀(小樽掖済会病院 消化器病センター) |
共同演者 | 小松 悠弥(小樽掖済会病院 消化器病センター), 北岡 慶介(小樽掖済会病院 消化器病センター), 和賀 永里子(小樽掖済会病院 消化器病センター), 高梨 訓博(札幌医科大学第四内科), 勝木 伸一(小樽掖済会病院 消化器病センター), 加藤 淳二(札幌医科大学第四内科) |
抄録 | 【背景・目的】カプセル内視鏡検査(以下CE)は低侵襲であり,原因不明の消化管出血(OGIB)症例の診断において有用である.一方,ダブルバルーン小腸内視鏡検査(以下DBE)は出血責任病変の診断・治療に優れている.そのためCEとDBEの使い分けが重要となる.当院では2004年10月から2012年9月までに834回(経口270回・経肛門564回)のDBEを行っている.また2009年よりCEを導入し,422症例を経験している.CE導入以降,顕出血症例における当院のアルゴリズムは造影CTを行い,出血源が明らかな場合にはDBEを行う.出血源が明らかでない場合にはCE所見に応じてDBEの施行を判断している.今回, CE後のDBE施行の判断基準の検討を行ったので報告する.【対象】CE導入以降の2009年1月から2012年9月までの顕出血が主訴の88症例中,小腸出血と判断しCEを行った61症例を対象とした.【成績】61症例中CEにて小腸病変が疑われDBEを行った15症例の出血源同定率は86.7%(13/15).CEにて出血源が明らかでなくDBEを行った14症例の出血源同定率は14.3%(2/14)であった.DBE未施行の32症例の平均観察期間は1年7ヶ月.10症例が当院,9症例が他院で経過観察中である.9症例が経過を追えておらず, 4症例が他病死であった.すべての症例で再出血は認めなかった一方で,前処置不良のCE検査であったにも関わらずDBEでの精査を拒否されたため経過観察とした1症例で後日小腸GISTと判明した症例も経験している.【結論】顕性小腸出血症例においてCEにて出血・責任病変が明らかであった場合の出血源同定率は高かったが,明らかでなかった場合にはDBEを行っても出血源同定率は低かった.また,経過観察としても再出血のリスクは低いためDBEを省略し再出血時に再考という選択肢もありうると思われた.一方でCEが十分な条件下で行われていない場合には積極的にDBEでの精査が必要と思われた. |
索引用語 | 小腸出血, アルゴリズム |