セッション情報 一般演題

タイトル 103:

剖検により判明した虫垂粘液腺癌の1例

演者 藤井 亮爾(KKR札幌医療センター 斗南病院 腫瘍内科)
共同演者 土井 綾子(KKR札幌医療センター 斗南病院 腫瘍内科), 木村 朋広(KKR札幌医療センター 斗南病院 消化器内科), 上田 美和(KKR札幌医療センター 斗南病院 消化器内科), 庵原 秀之(KKR札幌医療センター 斗南病院 消化器内科), 住吉 徹哉(KKR札幌医療センター 斗南病院 消化器内科), 辻 靖(KKR札幌医療センター 斗南病院 腫瘍内科), 由崎 直人(KKR札幌医療センター 斗南病院 消化器内科), 大森 優子(KKR札幌医療センター 斗南病院 病理診断科), 小山田 ゆみ子(KKR札幌医療センター 斗南病院 病理診断科), 大塚 紀幸(北海道大学病院分子病理学分野)
抄録 症例は69歳男性、背部痛を主訴に他院を受診し、血液検査にてCA19-9 4847 U/mlと異常高値を指摘され、精査、加療目的に当院を受診した。CTでは腹水の貯留、腸間膜に軽度濃度上昇と小結節を認め、腹膜播種と考えられた。腹水穿刺を行ったところ、黄色、高粘調度の腹水が得られ、細胞診では腺癌が検出された。原発巣検索目的に施行した上部内視鏡検査では胃潰瘍、下部内視鏡検査では横行結腸の粘膜に浮腫状の変化を認めるのみで悪性を疑う所見は得られなかった。以上より原発巣の特定は不可能だったが、臨床的に消化管癌を強く疑い、化学療法を施行する方針となった。レジメンとしてはFOLFOX療法を第一に考えたが、患者の全身状態が不良であることを鑑み、FOLFOX療法からオキサリプラチンを除き、5-FU/LV療法を開始した。1コース終了後、腹水は減少したが、全身状態の悪化に伴い化学療法を断念し、治療開始から29日後死亡した。病理解剖では腹腔内にゼリー状の粘液が充満しており、腹腔内臓器及び後腹膜は粘液産生の著明な腫瘍によって一塊となっていたが、実質や内腔への浸潤は認めなかった。また、虫垂は軽度腫大し、腫瘍部の病理組織学的所見は腹腔内の腫瘍成分と一致しており、虫垂粘液腺癌、癌性腹膜炎と診断された。初診時のCTでは虫垂に明らかな腫瘤性病変を認めず、下部内視鏡検査では虫垂開口部に若干の隆起を認めたが、悪性を疑う所見とは考え難かった。今回我々は臨床的に原発巣を特定できず、剖検にて虫垂粘液腺癌と診断された一例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 虫垂, 粘液腺癌