セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 075:組織生検により術前診断できた主膵管型oncocytic type IPMNの一例 |
演者 | 吉田 幸成(札幌しらかば台病院消化器科) |
共同演者 | 遠藤 高夫(札幌しらかば台病院消化器科), 菊地 剛史(札幌しらかば台病院消化器科), 秋野 公臣(札幌しらかば台病院消化器科), 見田 裕章(札幌しらかば台病院消化器科), 原田 拓(札幌しらかば台病院消化器科), 澤田 武(札幌しらかば台病院消化器科), 安達 靖代(札幌しらかば台病院消化器科), 中村 正弘(札幌しらかば台病院消化器科), 足立 靖(札幌しらかば台病院消化器科), 石井 良文(札幌しらかば台病院病理), 松本 譲(北海道大学病院消化器外科2), 田中 栄一(北海道大学病院消化器外科2), 平野 聡(北海道大学病院消化器外科2), 新田 健雄(北海道大学病院病理部) |
抄録 | 主膵管型の膵IPMN(intraductal papillary mucinous neoplasm)は組織亜型としてintestinal typeが多く、oncocytic typeは非常にまれである。また、粘液産生の乏しいIPMNの場合ITPN(intraductal tubulopapillary neoplasm)など主膵管を主座に発育する他の粘液非産生腫瘍との鑑別を要する。今回われわれは、術前の組織生検により診断し得た主膵管型oncocytic type IPMNの一例を経験したので報告する。患者は78歳・女性。平成24年5月、大腸憩室炎で当院に入院加療した際の腹部造影CT・腹部USで主膵管の拡張を認めたため膵精査を施行した。MRCPで膵頭部の主膵管内欠損像と尾側膵管の拡張を認め、欠損部のT2強調像が高信号であることから軟組織病変の存在が疑われた。EUSでは膵頭部主膵管内に充満する長径約3cmの低エコー腫瘤と尾側主膵管の数珠状拡張(7mm前後)を認めた。乳頭開口部の開大や粘液排出はなかった。以上より、主膵管内に発育する粘液非産生腫瘍を疑いERCP施行時に経乳頭的に組織生検を施行した。検体のHE染色では粘液産生の乏しい好酸性細胞の乳頭増殖像を認め、核異型はあるも分裂像は乏しく境界悪性のIPMNと診断された。免疫染色ではMuc1(+/-)、Muc2(-)、Muc5AC(+)、Muc6(++)でありoncocytic type に矛盾しない粘液形質を有していた。EUS等の画像上、膵実質への浸潤所見を認めなかったため十二指腸温存膵頭部切除術ならびに膵胃吻合術が施行され、結果はR0切除であった。摘出標本の病理組織診断は術前生検診断と同様であり、異型度はintermediate- to high-grade dysplasiaであった。Oncocytic typeの予後はIntestinal typeより良好と言われており、本例のように術前に組織診がつけば更なる低侵襲手術への適応も考慮されると思われる. |
索引用語 | 膵IPMN, oncocytic type |