セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 097:術前化学療法後に、肝左3区域・動門脈合併切除再建にて根治手術を施行し得た肝門部胆管癌の1例 |
演者 | 高野 博信(北海道大学 消化器外科2) |
共同演者 | 松本 譲(北海道大学 消化器外科2), 和田 秀之(北海道大学 消化器外科2), 松村 祥幸(北海道大学 消化器外科2), 中西 喜嗣(北海道大学 消化器外科2), 浅野 賢道(北海道大学 消化器外科2), 中村 透(北海道大学 消化器外科2), 土川 貴裕(北海道大学 消化器外科2), 平野 聡(北海道大学 消化器外科2), 久居 弘幸(伊達日赤病院 消化器病センター) |
抄録 | 【背景】胆道癌術前化学療法に関しての報告例は少なく、安全性についてもまだ確立されてはいない。今回cStage4aの肝門部胆管癌に対し術前化学療法を行い根治手術可能であった1例を経験したので報告する。【症例】78歳、女性。持続する倦怠感と皮膚黄染を主訴に近医受診。USにて肝内胆管の拡張認め、CTにて肝門部にmassを認め、門脈左枝が高度狭窄を来たしていた。ENBD造影では左右肝管および前・後区枝で泣き別れの所見を認めた。肝門部胆管癌 Blrcs 結節浸潤型 S2 Hinf2 H0 Ginf0 Panc0 Du0 PVl3 A1 T4 N0 M- St- cStage4aの診断となったが、肝左3区域・動門脈合併切除でもR0手術が困難と判断し、化学療法施行の後にSDであれば手術の方針となった。GEM+CDDPを2コース施行後に手術可能と診断しPTPE施行したが、その際、温存側肝動脈(A6)を損傷し切除不能と診断した。その後、化学療法を2コース追加し肝動脈造影を施行しA6の側副血行路の発達を認め手術可能と判断した。初診時より7ヶ月後に肝左三区域尾状葉肝外胆管切除、胆道再建、門脈合併切除再建(環状)、右肝動脈合併切除再建(RHApost-GDA)を施行した。病理組織学的には肝門部胆管癌 Bcrl ly0 v0 pn3 ss Hinf1a PV2 A0 N0 pT4 fStage4a pHM0 pDM0 pEM0 であり、根治度はfCurA、化学療法の効果はEvans分類 Grade1であった。術後は動脈吻合部の未破裂仮性瘤の所見認め、TAEを必要としたが、その後は良好に経過し 術後49日目に退院した。現在、術後5か月無再発生存中である。【考察】胆道癌に対する術前化学療法後の大量肝切除の安全性についての報告はないが、本症例では重篤な合併症をきたすことなく手術可能であった。【結語】肝門部胆道悪性腫瘍に対する術前化学療法後の大量肝切除を、今後も慎重に患者選択をしつつ行う予定である。 |
索引用語 | 肝門部胆管癌, 術前化学療法 |