セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 029:

アルコール性肝硬変に発生した多血性腫瘤の一例

演者 佐々木 基(札幌医科大学 第一内科)
共同演者 阿久津 典之(札幌医科大学 第一内科), 那須野 央(札幌医科大学 第一内科), 松永 康孝(札幌医科大学 第一内科), 志谷 真啓(札幌医科大学 第一内科), 本谷 雅代(札幌医科大学 第一内科), 高木 秀安(札幌医科大学 第一内科), 佐々木 茂(札幌医科大学 第一内科), 篠村 恭久(札幌医科大学 第一内科)
抄録 症例は50歳代男性。発熱、意識障害にて近医受診。血液検査にて肝機能障害、アンモニア高値を認めたため腹部造影CT施行。肝内に早期濃染される多発腫瘤を認め、精査加療目的に当院紹介入院となった。当院で施行した腹部Dynamic CTにて肝S5に4cm大の動脈相で濃染し、平衡相で部分的に欠損像を呈する結節を認め、その他の部位にも濃染する結節が散在していた。CT上は、肝細胞癌が最も疑われたが、他の画像検査からアルコール性肝疾患を背景とした過形成結節も考慮され肝生検を施行。病理学的には過形成結節として矛盾せず、背景肝はアルコール性肝硬変の所見であった。その後、無治療にて経過観察中であるが病変の増大は認めていない。アルコール性肝硬変患者における多血性腫瘤として、肝細胞癌と過形成結節の鑑別は重要である。過形成結節の多くは2cm以下の小結節であるとされているが、本症例のように4cm大の結節を形成する症例も報告されており、アルコール性肝疾患を背景に出現した多血性腫瘍を認めた際には、本疾患も念頭に置く必要があると考える。
索引用語 アルコール, 多血性腫瘍