セッション情報 | 一般演題(研修医(卒後2年迄)) |
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タイトル | 044:ガストリン産生能を有する膵神経内分泌腫瘍の一例 |
演者 | 冨塚 晶子(KKR 札幌医療センター) |
共同演者 | 鈴木 潤一(KKR 札幌医療センター), 藤田 淳(KKR 札幌医療センター), 三浦 敦彦(KKR 札幌医療センター), 関 英幸(KKR 札幌医療センター), 菅井 望(KKR 札幌医療センター), 石橋 陽子(KKR 札幌医療センター), 大原 克仁(KKR 札幌医療センター), 横山 文明(KKR 札幌医療センター), 松園 絵美(KKR 札幌医療センター), 高島 雄太(KKR 札幌医療センター), 鈴木 昭(KKR 札幌医療センター), 岩崎 沙理(KKR 札幌医療センター), 藤澤 孝志(KKR 札幌医療センター), 赤坂 嘉宣(KKR 札幌医療センター), 小池 雅彦(KKR 札幌医療センター), 今 裕史(KKR 札幌医療センター), 片山 知也(KKR 札幌医療センター), 三野 和宏(KKR 札幌医療センター), 小丹枝 裕二(KKR 札幌医療センター), 正司 裕隆(KKR 札幌医療センター) |
抄録 | 症例は70歳女性。微熱、上腹部の違和感、嘔気を訴え近医内科受診。上部消化管内視鏡で十二指腸球部に腫瘤を認めた。腹部エコーでは総胆管、肝内胆管、主膵管の拡張を認め、CTでは膵頭部に腫瘤を認めたため、膵腫瘍または十二指腸腫瘍精査目的に当科紹介となった。当科で施行した造影CTでは膵頭部と十二指腸下行脚に多血性の腫瘤を認め、周囲のリンパ節腫脹も認めた。血清ガストリン値の上昇(>3000pg/ml)を認め、質的診断目的にEUS-FNAで十二指腸、リンパ節の生検を行った。得られた組織ではいずれも異型細胞の出現を認め、Chromogranin A、Synaptophysin、CD56陽性であり神経内分泌腫瘍と診断された。1群リンパ節転移はあるものの、遠隔転移を認めなかったために外科的切除を行う方針となり、亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD)を施行された。術後病理では十二指腸下行脚への浸潤とリンパ節転移を認め、免疫染色でガストリン産生能を認めた。2010年WHO分類に従いNeuroendocrine tumor, NET G1と診断された。進行度はENETSによるTNM分類に従えばT3N1M0, pStage 3bであった。 膵神経内分泌腫瘍(P-NET)の有病患者数は人口10万人に2.23人と希少疾患であり、そのうちガストリノーマは8.6%を占める。また、ガストリノーマの約90%はZollinger-Ellison症候群を呈するとされているが、本症例は血清ガストリン高値を伴うにも関わらず消化性潰瘍を認めず、24時間pHモニタリングでも胃酸分泌亢進を認めない稀な症例であり、文献的考察を加えてここに報告する。 |
索引用語 | 膵神経内分泌腫瘍, ガストリン |