セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 135:

回盲部異所性子宮内膜症の1例

演者 檜森 亮吾(日鋼記念病院消化器センター)
共同演者 石川 桂子(日鋼記念病院消化器センター), 岡 由衣(日鋼記念病院消化器センター), 小川 悠史(日鋼記念病院消化器センター), 根間 洋明(日鋼記念病院消化器センター), 横山 和典(日鋼記念病院消化器センター), 舩越 徹(日鋼記念病院消化器センター), 喜納 政哉(日鋼記念病院消化器センター), 林 俊治(日鋼記念病院消化器センター), 高田 譲二(日鋼記念病院消化器センター), 浜田 弘巳(日鋼記念病院消化器センター), 藤岡 保範(日鋼記念病院 病理診断科)
抄録 症例は46歳女性。既往歴としてチョコレート嚢法切除術を施行されており、産婦人科で子宮内膜症治療のため通院中であった。長期間改善しない右下腹部痛を主訴に当科受診。血液検査所見ではCRPの軽度上昇を認めるのみであった。腹部CTでは回盲部に壁肥厚を認め、虫垂根部がターゲット状に肥厚していた。大腸内視鏡検査では虫垂が内側に突出し、反転、重積している所見を認め、スコープ、鉗子での整復は困難であった。粘膜は白色調で血管透見性が低下していた。異所性子宮内膜症による虫垂の変化を第一に考えたが、腫瘍性病変の合併も否定出来ず、腹腔鏡補助下回盲部切除術が施行された。術中所見では、回盲部、バウヒン弁前面にあたる盲腸漿膜結腸垂内にチョコレート嚢胞様の塊を認め、回腸・虫垂が引き込まれていた。病理組織学所見では、肉眼所見で漿膜側に1.5cm大の硬結を認め、線維増生を伴う肥厚した虫垂で、漿膜下と固有筋層内に散在する子宮内膜間質を伴う子宮内膜腺を認めた。癒着する盲腸の固有筋層と漿膜下にも子宮内膜腺が散見され、免疫組織化学的にも子宮内膜症の所見であった。術後、右下腹部痛が消失し、手術による臨床症状の改善が認められた。異所性子宮内膜症は約80%が直腸とS状結腸に発生するとされるが、回盲部に発生した子宮内膜症の報告例は少なく、内視鏡所見に関する報告も少ないため、考察を加えて報告する。
索引用語 異所性子宮内膜症, 大腸内視鏡