セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 038:

腸管出血性大腸菌O-157感染による溶血性尿毒症症候群(HUS)の1例

演者 大原 正嗣(北見赤十字病院 消化器内科)
共同演者 佐藤 史幸(北見赤十字病院 消化器内科), 柳原 志津妃(北見赤十字病院 消化器内科), 久保 公利(北見赤十字病院 消化器内科), 水島 健(北見赤十字病院 消化器内科), 岩永 一郎(北見赤十字病院 消化器内科), 江平 宣起(北見赤十字病院 消化器内科), 上林  実(北見赤十字病院 消化器内科), 佐野 逸紀(網走厚生病院 内科・消化器科), 小野寺 学(網走厚生病院 内科・消化器科), 内田 多久實(網走厚生病院 内科・消化器科), 藤永 明(網走厚生病院 内科・消化器科)
抄録 腸管出血性大腸菌O-157感染に伴う溶血性尿毒症症候群(HUS)は産生されたverotoxinによる腎での血管内皮細胞障害と血小板凝集による微小血管障害性溶血性貧血が主病態で,進行性腎障害,溶血性貧血,血小板減少を特徴とする症候群である。早期診断および早期治療が極めて重要である.今回我々はO-157感染によるHUSの1例を経験した。症例は、20代女性.下痢,腹痛,血便主訴に近医受診し、出血性腸炎の診断で入院。便培養の結果O-157感染による出血性大腸炎の診断となった。前医入院翌日には、急激な血小板減少、血尿が出現し、HUSの合併が疑われたため、同日当科紹介転院となった。当科入院後、無尿となり急性腎不全を呈したため第3病日より持続透析を開始とした。全身の痙攣発作・意識障害を認め、脳症の診断で第10病日より気管内挿管・人工呼吸器管理を施行した。集中治療の継続で救命しえた。病状は改善し第36病日、軽度の腎機能障害を残すのみとなり前医へ転院となった。当院で経験した過去のHUS症例の経過と若干の文献的考察を含めて報告する。
索引用語 HUS, O-157