セッション情報 | 一般演題(研修医(卒後2年迄)) |
---|---|
タイトル | 050:早期胃癌に対するESDの長期成績 |
演者 | 早坂 尚貴(KKR札幌医療センター 斗南病院 消化器内科) |
共同演者 | 住吉 徹哉(KKR札幌医療センター 斗南病院 消化器内科), 近藤 仁(KKR札幌医療センター 斗南病院 消化器内科), 平山 眞章(KKR札幌医療センター 斗南病院 消化器内科), 由崎 直人(KKR札幌医療センター 斗南病院 消化器内科), 庵原 秀之(KKR札幌医療センター 斗南病院 消化器内科), 木村 朋広(KKR札幌医療センター 斗南病院 消化器内科), 上田 美和(KKR札幌医療センター 斗南病院 消化器内科), 皆川 武慶(KKR札幌医療センター 斗南病院 消化器内科), 溝口 亜樹(KKR札幌医療センター 斗南病院 消化器内科) |
抄録 | 【目的】当科における早期胃癌ESD症例の長期成績を検討し、その有用性、問題点を明らかにする。【方法】2000年10月~2006年12月までの間、当科でESDを施行した残胃、胃管病巣を除く早期胃癌241症例275病変の内、予後の追跡が可能であった228症例261病変を対象とした。男女比は3.38(176/52)、ESD施行時年齢中央値は72歳 (45-86歳)であった。(1)ESDによる治療成績(一括切除率、一括断端陰性切除率、治癒切除率、偶発症)、(2)ESD施行後の臨床経過、予後、(3)ESD施行後の異時性多発病変の頻度について検討を行った。【成績】術前診断は、絶対適応病変(G) / 適応拡大病変(E) / 遺残再発病変(R) / 適応外病変(N):168例/ 83例 / 9例 / 1例であった。(1)一括切除率95.4% (G:96.4% / E:93.4% / R:90.9% / N:100%)、一括かつ断端陰性切除率91.2%(G:93.4% / E:86.5% / R:81.8% / N:100%)、治癒切除率81.2%(G:93.4% / E:86.5% / R:81.8% / N:100%)であった。偶発症は穿孔5.7%(G:3.0% / E:10.8% / R:11.1% / N:0%)、後出血(G:3.6% / E:10.8% / R:0% / N:0%)であった。(2)5年以上の追跡率94.6%、観察期間中央値は2825.5日(85-4443日)で、治癒切除後の局所再発は2例(G:1例、E:1例)、遠隔転移再発はなく、穿孔症例における腹膜再発もなかった。5年全生存率は、絶対適応治癒症例(101例):96.0%、適応拡大治癒症例(73例):93.1%、遺残再発治癒症例(7例):85.7%、非治癒追加外科手術例(25例):96.0%、非治癒追加内視鏡治療例(5例):80.0%、非治癒経過観察例(17例):70.5%で、死亡は34例(胃癌死2例、他癌死16例、他病死14例、詳細不明2例)であった。(3)異時性多発胃癌は31例(11.9%)に認めた。【結論】早期胃癌に対するESDは適応拡大病変も含めて根治性が高く、長期成績は良好であった。しかし異時性多発胃癌や異時性他臓器癌が少なからず認められ、術後の胃および他臓器の慎重な経過観察が必須である。 |
索引用語 | 胃ESD, 予後 |