セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 048:

出血を契機に発見された多発胃潰瘍を伴う早期胃癌の1例

演者 大槻 雄士(KKR札幌医療センター)
共同演者 鈴木 潤一(KKR札幌医療センター), 藤田 淳(KKR札幌医療センター), 三浦 淳彦(KKR札幌医療センター), 関 英幸(KKR札幌医療センター), 菅井 望(KKR札幌医療センター), 石橋 陽子(KKR札幌医療センター), 大原 克人(KKR札幌医療センター), 松園 絵美(KKR札幌医療センター), 横山 文明(KKR札幌医療センター), 鈴木 昭(KKR札幌医療センター), 岩崎 沙理(KKR札幌医療センター), 藤澤 孝志(KKR札幌医療センター)
抄録 症例は75歳, 男性. 2009年胃潰瘍で当科を受診した. H.Pylori(以下HP)陽性のためPPI, アモキシリン, クラリスロマイシンの3剤併用療法で除菌を行った. 除菌は成功したが胃粘膜の萎縮があるため年1回の上部消化管内視鏡(以下EGD)をすすめられた. しかし, 患者は以後通院を自己中断していた. 2012年9月, 胸痛, 黒色便を認め, 当院救急外来を受診した. 採血上貧血を認め, NSAIDsを服用していたため, 上部消化管出血を疑い緊急内視鏡を施行すると, 胃体中部大弯にopen ulcerを4か所認めた. さらに最も肛側の潰瘍は露出血管を伴っていたため, 高周波凝固法により止血した. なお, HPは陰性であった. その後, PPIによる治療を行い, PPI投与8週間後にEGD再検を行った. EGDでは前回のopen ulcerのうち3病変は瘢痕化していたが, 内視鏡止血を行った最も肛側の潰瘍は2a+2c様に形態が変化した. 同部位の生検ではGroup4の診断で早期胃癌が疑われた.HP除菌後に胃に多発性の胃潰瘍が出現し, その中の1つが早期胃癌であった症例は稀と思われ,多少の文献的考察を加え報告する.
索引用語 多発胃潰瘍, 早期胃癌