セッション情報 |
一般演題(専修医(卒後3-5年))
|
タイトル |
005:当院における早期胃癌適応外病変に対するESD短期予後の検討
|
演者 |
川上 武志(帯広厚生病院第三内科) |
共同演者 |
吉田 晃(帯広厚生病院第三内科), 深谷 進司(帯広厚生病院第三内科), 一箭 珠貴(帯広厚生病院第三内科), 菊池 英明(帯広厚生病院第三内科) |
抄録 |
【はじめに】近年、早期胃癌の新しい治療法としてESDが開発され、全国的に普及している。ESDは胃切除と比較し侵襲が低く、胃の機能を温存出来るなどの利点がある。これに伴い、日本胃癌学会ガイドライン適応外病変に対する治療機会も増加している。当院においても適応外病変に対するESD施行例は存在しており、今回短期予後に関して検討を行った。【目的】当院における日本胃癌学会ガイドライン適応外病変に対するESD短期予後を検討すること。【対象と方法】2008年5月から2012年3月までに当院で早期胃癌の診断にてESDを施行し、最終病理診断でガイドライン適応外病変と診断した16例16病変(以下適応外群)と、同時期にESDを施行し、最終病理診断でガイドライン適応病変(適応内病変および適応拡大病変)と診断した154例193病変(以下適応群)の短期予後を比較検討した。年齢中央値は適応外群74歳(59-85歳)、適応群73歳(43-91歳)。男女比は適応外群 男:女=12:4、適応群 男:女=147:46、切除した平均腫瘍長径は適応外群3.3cm、適応群1.6cmであった。【検討項目】1.一括完全切除率、2.平均手術時間、3.偶発症発生率(後出血、穿孔、肺炎)を検討した。【結果】1.一括完全切除率は適応外群75.0%(12/16)、適応群92.2%(178/193)。2.平均手術時間は、適応外群83分、適応群47分。3.偶発症発症率は後出血:適応外群7.9%(1/16)、適応群3.6%(7/193)、穿孔:適応外群0%、適応群1.0%(2/193)、肺炎:適応外群0%、適応群1.0%(2/193)。【結論】当院における日本胃癌学会の内視鏡治療ガイドライン適応外病変に対するESDは、一括完全切除率及び手術時間は適応群に比べやや劣るものの、偶発症の発生率は適応群と大きな差が無かった。外科的切除が困難な高齢者や合併症を有する症例に対する姑息的な治療として成立する可能性があると考えられた。 |
索引用語 |
早期胃癌, ESD |