セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 017:

高齢者の悪性大腸狭窄に対する緩和的大腸STENT留置術の検討

演者 高橋 慶太郎(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科)
共同演者 後藤 充(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科), 立花 靖大(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科), 佐藤 智信(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科), 藤林 周吾(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科), 藤永 明裕(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科), 森田 康太郎(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科), 柳川 伸幸(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科), 斉藤 義徳(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科), 折居 裕(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科), 柴田 好(JA北海道厚生連 旭川厚生病院 消化器科)
抄録 悪性大腸狭窄症例では可能な限り人工肛門造設術を含めた外科手術による狭窄解除を行っている。しかし、年齢や全身状態、認知症などの基礎疾患の状態によって大腸STENTを緩和的に留置している。【対象】大腸STENTが保険適応となってからWALLFLEX COLONIC STENT(Boston Scientific社)を緩和的に留置した5例。内訳は平均年齢92.8歳(82-99歳)。原発性大腸癌4例、術後骨盤内再発1例。留置部位は直腸1例、S状結腸1例、下行結腸2例、回盲部1例。全例狭窄症状を有し、3例は大腸イレウスを来していた。留置後経過追跡期間は3-9か月(中央値7か月)。【検討項目】1.留置成功率、2.臨床的有効性、3.合併症【結果】1.全例でSTENT留置可能であった。2.全例で経口摂取可能となり、ColoRectal Obstruction Scoring System(CROSS)scoreで留置前平均1.25点(0-3点)から留置後は4点に改善した。4例(80%)では再狭窄なく経過している。3.早期合併症としては下行結腸癌の1例で留置時にSTENTが狭窄の口側に位置したため追加STENTを要し、かつ大腸穿孔を来した。しかし、保存的に改善し、経口摂取可能となった。晩期合併症としては輸血を行った貧血が1例、留置3か月後にtumor ingrowthを認め、追加STENTを行った症例が1例であった。【まとめ】高齢者の悪性大腸狭窄に対する緩和的大腸STENT留置術はTrough the scope法により右側大腸を含めた全例で可能であり、今回の追跡期間においては安全に十分な狭窄解除が得られていた。留置時の合併症を回避するためには愛護的なガイドワイヤー操作、X線透視を重視した慎重なリリースが必要である。
索引用語 悪性大腸狭窄, 大腸ステント