セッション情報 一般演題

タイトル 096:

腫瘍進展範囲の診断が困難であった中部胆管癌の1例

演者 佐藤 大介(北海道大学消化器外科II)
共同演者 松本 譲(北海道大学消化器外科II), 松村 祥幸(北海道大学消化器外科II), 中西 喜嗣(北海道大学消化器外科II), 浅野 賢道(北海道大学消化器外科II), 倉島 庸(北海道大学消化器外科II), 海老原 裕磨(北海道大学消化器外科II), 中村 透(北海道大学消化器外科II), 加藤 健太郎(北海道大学消化器外科II), 土川 貴裕(北海道大学消化器外科II), 七戸 俊明(北海道大学消化器外科II), 田中 栄一(北海道大学消化器外科II), 平野 聡(北海道大学消化器外科II)
抄録 【緒言】胆管癌における胆管狭窄の進行は,しばしば炎症と腫瘍性狭窄の鑑別に苦慮する.今回,われわれは上流側胆管の急速な進行を腫瘍進展と診断し,化学療法後に根治術施行した症例を経験したので報告する.
【症例】61歳男性,黄疸を主訴に前医受診.精査にてBm主体の胆管癌と診断された. Brへの進展を疑われ,3週後に当院消化器内科入院としERCP でBr狭窄の進行を認めた.生検でBrp根部よりadenoCa. Suspectedが検出された.胆嚢管癌,CBmisclr,S1,Hinf0,H0,Binf3,PVp1,Arh1,P0,N0,M(-),St(-),T4,M0,cStageIVa と診断し,肝右葉尾状葉切除,膵頭十二指腸切除,門脈合併切除術で根治切除可能と思われたが,前医受診時から急激に狭窄が進行しており,PTPE待機中に切除不能となることが懸念され,化学療法の方針とした.GEM 療法3コース施行後に腫瘍縮小効果が認められ,手術適応と判断.計6コース施行後,初診時より7ヶ月で肝右葉尾状葉切除,膵頭十二指腸切除,門脈合併切除術施行した.術後肝不全,胆汁漏,腹腔内膿瘍を併発したがドレナージで軽快,術後105日目に退院となった.病理組織学的に Bm 主体であり,胆管癌,pat BmCBsi,ly0,v1,pn3,pHinf1a,pPanc1b,pDu0,pPV2,pA1,pN1(#12b1,#12c),pT4,fStageIVaの診断となった.化学療法効果はEvans分類GradeIIに相当した.
【考察】Brの狭窄は術前に改善しており,組織上腫瘍進展はBsに留まっていた.炎症性狭窄が経過で改善した可能性や,化学療法により上流側の腫瘍が消失した可能性が考えられたが病理学的にも判定は困難であった.
【結語】胆管の高度炎症性肥厚と,癌の進展による狭窄との鑑別は困難であるため,すべての狭窄を切除範囲に含めるべきであるが,広範囲切除となる場合には慎重な耐術能の判定が重要となる.
索引用語 胆管癌, 胆管