セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 032:バイパス術後にIVRにて治療し得た未破裂膵十二指腸動脈瘤の1例 |
演者 | 木井 修平(北海道大学病院 消化器外科1) |
共同演者 | 木井 修平(北海道大学病院 消化器外科1), 蒲池 浩文(北海道大学病院 消化器外科1), 若狭 哲(北海道大学病院 循環器・呼吸器外科 ), 阿保 大介(北海道大学病院 放射線診断科), 敦賀 陽介(北海道大学病院 消化器外科1), 若山 顕治(北海道大学病院 消化器外科1), 柿坂 達彦(北海道大学病院 消化器外科1), 横尾 英樹(北海道大学病院 消化器外科1), 神山 俊哉(北海道大学病院 消化器外科1), 武冨 紹信(北海道大学病院 消化器外科1) |
抄録 | 【はじめに】 弓状靭帯症候群による膵十二指腸動脈瘤は稀な疾患であり、破裂してはじめて発見されるということも少なくない。今回我々は、一期的なIVRが困難で、腹部大動脈-脾動脈バイパス術後に、IVRで治療し得た一例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。【症例】 54歳、女性。腹痛で前医に入院した際に施行した造影CTで膵十二指腸動脈瘤が指摘され、精査の末、正中弓状靭帯症候群に伴う腹腔動脈閉塞、下膵十二指腸動脈瘤の診断となり当科紹介となった。当初、IVRでの一期的治療を考慮したが、膵アーケードが嚢状に瘤化していたために困難と判断された。このため、循環器外科と合同で腹部大動脈-脾動脈バイパス術を施行し、6PODに瘤の加療として二期的にコイル塞栓術を施行した。15PODに施行したMRAでバイパスの血流は良好であったが、コイル塞栓に伴う一過性十二指腸虚血による腸管の狭小化が出現した。経時的に経口摂取可能となり30PODに退院となった。【考察】 膵十二指腸動脈瘤は腹部大動脈瘤の2%にすぎない稀な疾患であるが、破裂して初めて発見され致死的な状態になることも少なくないため、最近ではIVRによる瘤塞栓が主な治療法となりつつある。しかし、本症例のように一期的なIVRが施行できない症例に対しては、バイパス術後にIVRを選択することは、有用な治療選択肢と考えられ、積極的な治療も考慮すべきである。 |
索引用語 | 膵十二指腸動脈瘤, バイパス術 |