セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
---|---|
タイトル | 024:当科における脳死肝移植登録患者待機中死亡78症例の検討 |
演者 | 杉山 昂(北海道大学大学院医学研究科 消化器外科学分野1) |
共同演者 | 青柳 武史(北海道大学大学院医学研究科 消化器外科学分野1), 後藤 了一(北海道大学大学院医学研究科 消化器外科学分野1), 山下 健一郎(北海道大学大学院医学研究科 移植外科学講座), 鈴木 友己(北海道大学大学院医学研究科 消化器外科学分野1), 嶋村 剛(北海道大学病院 臓器移植医療部), 武冨 紹信(北海道大学大学院医学研究科 消化器外科学分野1), 藤堂 省(北海道大学大学院医学研究科 移植外科学講座) |
抄録 | 【背景】現在、日本では臓器移植法改正後、年に40-50例の脳死肝移植が施行されている。当科では、現在のところ26例の脳死肝移植を施行してきたが、同時に多くの脳死登録待機患者を抱え、待機中死亡例を経験する事も多い。【目的・対象】1999年5月~2012年10月に当科脳死肝移植登録した患者194例のうち、待機中に死亡した78症例を検証し、年齢、性別、登録疾患名、待機日数、死亡原因などを検討した。【結果】症例の登録時年齢は平均51.8歳(0歳-75歳)、男性は37例(48%)であった。登録疾患名は最も多いものが、原発性胆汁性肝硬変と劇症肝炎もしくは慢性肝炎の急性増悪で、ともに17例(22%)であった。次にC型肝硬変が14例(18%)、B型肝硬変が10例(13%)で続いた。また、78例のうち肝細胞癌を合併していた症例は11例(14%)であった。死亡までの平均待機日数は、登録時の緊急度1点(6例)、3点(12例)、6点(38例)、8点(5例)、10点(17例)でそれぞれ、2221、796、272、21、35日であった。死亡原因に関しては、肝不全もしくは多臓器不全による死亡が51例(78%)と多く、その他、肺炎などによる感染症12例(15%)、静脈瘤破裂等による出血5例(6%)と続いた。【結語】脳死登録患者の待機日数は長期に及ぶ。医学的緊急度8点以上の緊急性の高い症例においては、平均で1ヶ月前後で死亡に至る。それゆえ、可及的早期の登録と綿密なフォローによる遅れのない登録変更が重要となる。 |
索引用語 | 脳死肝移植, 待機中死亡 |