セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 159:治療抵抗性C型慢性肝炎に対するTelaprevir等3剤併用療法の実臨床における効果 |
演者 | 青木 敬則(手稲渓仁会病院 消化器病センター) |
共同演者 | 姜 貞憲(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 山崎 大(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 友成 暁子(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 辻 邦彦(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 児玉 芳尚(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 桜井 康雄(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 真口 宏介(手稲渓仁会病院 消化器病センター), 茶山 一彰(広島大学 消化器・代謝内科) |
抄録 | 【諸言】Telaprevir, Peg IFN, Ribavirin 3剤併用療法(TPR)は、国内第III相臨床試験において難治性C型慢性肝炎(CHC) 初回治療例ないし前治療再燃例に対する強力な治療効果を示したが、他方、前治療無効(NVR)例に対する成績は34.4%と報告されており、IL28β遺伝子型minor症例でもその治療成績は必ずしも良好とは言えない。これら治療抵抗性CHCに対する実臨床でのTPR療法の実情を検討した。 【対象と方法】2012年2月から11月までの期間にTPRを開始した24例中、以下の2群を対象とした。対象1:IL28β近傍SNPs(rs8099917)を検討し得た20例中、minor 8例(T/G 8,G/G 0)。対象2:前治療歴を有する14症例中、NVRであった7例。治療開始4週後にHCV RNA 1.2 log copies/ml未満で増幅signal陰性をRVRと定義した。RVRおよび8週後のHCV RNAを検討した。 【成績】対象1(男 3例、女 5例、年齢中央値 59歳[30-71歳])において、RVRは5/8(62.5%)、8週後のHCV RNA 1.2 log copies/ml未満で増幅signal陰性(検出感度以下)は6/8(75.0%)であった。また対象2(男 4例、女 3例、年齢中央値 57歳[39-71歳])では同様に4/7(57.1%)、5/7(71.4%)であった。IL28βminorと前治療NVRの重複は5例で、同順で2/5(40.0%)、3/5(60.0%)であった。現在対象1,2のうちRVR未達成かつ治療8週後HCV RNA検出感度以下を示した1例に対しPR延長投与中である。 【結論】実臨床では、IL28β遺伝子型minorや前治療NVR症例においても臨床試験と同等あるいはそれ以上の治療効果が得られる可能性が存在する。またこれらの治療抵抗性と思われる症例でRVRが未達成でも、8週後のHCV RNA検出感度以下の症例では延長投与効果の検討が求められる。このような臨床経験は今後次世代protease阻害剤の臨床導入時にも有意義であると思われる。 |
索引用語 | C型慢性肝炎, IL28β近傍SNIPs |