セッション情報 | 一般演題(専修医(卒後3-5年)) |
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タイトル | 140:結腸癌の縦隔リンパ節転移に対するEUS-FNAの結果によりconversion therapyを施行し得た1例 |
演者 | 嘉成 悠介(伊達赤十字病院 消化器科) |
共同演者 | 久居 弘幸(伊達赤十字病院 消化器科), 小柴 泰(伊達赤十字病院 消化器科), 和田 浩典(伊達赤十字病院 消化器科), 宮崎 悦(伊達赤十字病院 内科), 前田 喜晴(伊達赤十字病院 外科), 佐藤 正文(伊達赤十字病院 外科), 川崎 亮輔(伊達赤十字病院 外科), 行部 洋(伊達赤十字病院 外科), 中島 誠一郎(伊達赤十字病院 外科), 岡川 泰(札幌医科大学 第四内科), 小野 道洋(札幌医科大学 第四内科) |
抄録 | 腫大リンパ節に対するEUS-FNAは有用な手技である。今回われわれは、結腸癌の縦隔リンパ節に対するEUS-FNAの結果によりconversion therapyを施行しえた1例を経験したので報告する。 症例は63歳、男性。平成23年11月に臍周囲痛あり、当科受診。CTでは上行結腸の拡張と壁肥厚、右鎖骨下・左頸部・縦隔・腹部に多発性のリンパ節腫大、肝内に多数のLDAがあり、下部消化管内視鏡検査では上行結腸に全周性の2型腫瘍を認め、上行結腸癌による腸閉塞、多発肝転移、腹部および縦隔リンパ節転移の診断で当科入院。腫瘍マーカーではCEA 136.8 ng/ml、CA19-9 1777 U/mlであった。 縦隔リンパ節 (#4L)対してEUS-FNA (19G針)を施行し、腺癌の診断で大腸癌のリンパ転移として矛盾しない所見であった。経肛門的にイレウス管を留置後、同年12月、当院外科で右半結腸切除術を施行した。病理組織所見ではA、2型、40x30mm、tub2、pSS、int、INFb、ly1、v1 (EVG)、pN2以上であった。 術後の化学療法として同年12月よりmFOLFOX6を2コース、その後、mFOLFOX6-bevacizumabを8コース施行した。8コース終了後のH24年5月のCTで腫大リンパ節、肝転移巣は著明に縮小し、効果判定PRであり、腫瘍マーカーではCEA 2.6 ng/ml、CA19-9 29 U/mlと著明に低下した。有害事象ではGrade3の好中球減少、高血圧、末梢神経障害を認めたが対処可能であった。同年6月に治療効果判定のために縦隔リンパ節に対して再度EUS-FNA (25G針)を施行したところ、Class Iであった。EOB-MRIでは肝S5に5mm大、S6/7に10mm大、S8に10mm大の計3個の肝転移巣を認め、7月に肝後区域・前区背側領域切除および胆嚢摘出術を施行した。病理では大腸癌肝転移に矛盾しない所見であり、治療効果はGrade 1b~2相当、背景肝はほぼ正常であった。以後、現在まで再発を認めていない。 |
索引用語 | EUS-FNA, conversion therapy |