セッション情報 一般演題

タイトル 131:

中結腸動脈瘤破裂に対しコイル塞栓術を施行した1例

演者 山本 至(市立室蘭総合病院 消化器内科)
共同演者 金戸 宏行(市立室蘭総合病院 消化器内科), 石上 敬介(市立室蘭総合病院 消化器内科), 伊東 文子(市立室蘭総合病院 消化器内科), 那須野 正尚(市立室蘭総合病院 消化器内科), 中垣 卓(市立室蘭総合病院 消化器内科), 佐藤 修司(市立室蘭総合病院 消化器内科), 清水 晴夫(市立室蘭総合病院 消化器内科)
抄録 【症例】78歳,男性
【主訴】腹部膨満感
【現病歴】H23年12月,脳梗塞の疑いで当院脳神経外科入院中に腹部の膨満感を発症した.腹部単純CTで膵腹側に腫瘤影を認め,腫瘍性病変の可能性を考え造影CTを撮影したところ,上腸間膜動脈分枝に腹腔内ならびに腸間膜内への出血を伴った直径8mm程度の動脈瘤が発見された.Hb8.5と貧血の進行も見られており,当日中に緊急血管造影検査を行った.上腸間膜動脈から造影すると中結腸動脈に瘤を認め,腹腔内への造影剤の流出が見られた.中結腸動脈瘤破裂と診断し,マイクロコイルを用いた動脈塞栓術を施行した.トルネード血管塞栓マイクロコイルを合計8本使用し塞栓し,DSAで動脈瘤内への血流がほぼ途絶したことを確認した.末梢へはアーケードを介した血流があることが確認できていたため,術後に腸管虚血を疑う所見は見られなかった.以降の経過は良好で,術後15日目に退院した.
【考察】中結腸動脈瘤破裂はショックをきたし発見されることが多いため,緊急開腹手術を行うことが多い.しかし,本症例のように比較的早期で診断された動脈瘤破裂に対してはより侵襲が小さく,診断から治療に直結する血管内治療が有用であることが示唆された.
索引用語 動脈瘤, 血管内治療