共同演者 |
関 英幸(KKR札幌医療センター 消化器内科), 松薗 絵美(KKR札幌医療センター 消化器内科), 大原 克人(KKR札幌医療センター 消化器内科), 石橋 陽子(KKR札幌医療センター 消化器内科), 菅井 望(KKR札幌医療センター 消化器内科), 三浦 淳彦(KKR札幌医療センター 消化器内科), 藤田 淳(KKR札幌医療センター 消化器内科), 鈴木 潤一(KKR札幌医療センター 消化器内科), 藤澤 孝志(KKR札幌医療センター 病理科), 岩崎 沙里(KKR札幌医療センター 病理科), 鈴木 昭(KKR札幌医療センター 病理科) |
抄録 |
症例は72歳女性。近医で行われたEGDで胃体中部大彎に潰瘍性病変を認め、生検で癌を疑われ当科紹介となった。当科で施行したEGDでは表面に潰瘍を伴う粘膜下腫瘍を認めた。内視鏡所見からは粘膜下腫瘍様の胃癌を疑い再度生検を施行したがGroup2の結果であった。組織学的診断目的にEUS-FNAを行ったが結果はGroup1であった。EUSで病変の主座は粘膜下層と診断され完全生検目的にESDを試みたが、腫瘍中央部まで剥離すると筋層への浸潤所見があり、剥離の終わった部分をスネアで切除し終了とした。病理組織学的には高分化型管状腺癌が証明され、SM2以深への浸潤が疑われた。その後当院外科で幽門側胃切除術を実施した。切除検体病理組織は、Type0-IIa, tub1, T1(sm2), ly1, v1, pN0, pPM0, pDM0, StageIAであった。粘膜下腫瘍様の形態を呈する胃癌は比較的稀で、質的診断に難渋する症例も多いと言われている。今回われわれは粘膜下腫瘍様の形態を呈した胃癌の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する。 |