セッション情報 一般演題

タイトル 108:

腸閉塞で発症しメタリックステント挿入後に腹腔鏡下結腸切除を施行しえた直腸癌の一例

演者 定岡 邦昌(北海道社会保険病院 消化器センター)
共同演者 古家 乾(北海道社会保険病院 消化器センター), 小泉 忠史(北海道社会保険病院 消化器センター), 馬場 英(北海道社会保険病院 消化器センター), 関谷 千尋(北海道社会保険病院 消化器センター), 市川 伸樹(北海道社会保険病院 消化器センター), 相木 総良(北海道社会保険病院 消化器センター), 中西 一彰(北海道社会保険病院 消化器センター), 数井 啓蔵(北海道社会保険病院 消化器センター), 服部 淳夫(北海道社会保険病院 病理部)
抄録 症例は70歳台男性。平成24年9月便秘・腹痛を自覚し近医を受診。るいそう・貧血が著明で腸閉塞が疑われたため翌日当科を紹介受診、即日入院となった。腹部単純X線で大腸閉塞が疑われCTで直腸S状部に全周性腫瘍性病変を認め、同病変による腸閉塞と診断した。入院初日に緊急大腸内視鏡を行い、腫瘍による狭窄部位にメタリックステント(Boston Scientific社製WallFlex Colonic Stent 27/22×9)を留置した。ステント留置後良好な大腸の減圧が得られ、第6病日にはステントより肛門側の腺腫および腺腫内癌を内視鏡的に切除、第14病日に腹腔鏡下結腸切除術を施行した。ステント留置部の腫瘍の病理学的結果はTubular adenocarcinoma moderately differentiated (tub2) ly1 v0 N1で治癒切除であった。ステント挿入による合併症は認めなかった。患者は第28病日(術後14日目)に退院となった。
平成24年より大腸メタリックステントが保険収載され使用可能となっている。従来用いられていた経肛門イレウス管に比べ患者のQOL向上が得られるとともに良好な減圧が可能となっている。さらに、本症例のように悪性腫瘍の外科治療前に腺腫などを内視鏡的に治療することも可能になっている。
今回は、従来当科で使用していた経肛門イレウス管の成績と比較し報告する。
索引用語 大腸ステント, 大腸イレウス