セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル 054:

胆膵内視鏡処置における放射線被爆の現状調査

演者 平田 幸司(苫小牧市立病院 消化器内科)
共同演者 宮本 秀一(苫小牧市立病院 消化器内科), 江藤 和範(苫小牧市立病院 消化器内科), 小西 康平(苫小牧市立病院 消化器内科), 武藤 修一(苫小牧市立病院 消化器内科)
抄録 昨年の震災後より放射線被爆による被害に注目されている.その一方で,われわれ医療者における放射線被爆の現状は軽視されている.年間被爆線量上限は 50mSvとされており,放射線使用者には被爆量の測定が義務付けられているが,測定器の未装着者も少なくなく,放射線被爆量をきちんと反映しているとはいえない.【目的】当院における胆膵内視鏡処置の際の放射線被爆の現状を明らかにすること.【方法】2012年10月1日から11月13日までに当院で逆行性膵胆管造影(ERCP)を中心とする胆膵処置内視鏡を施行した24例(25回)を対象に,透視機器からのレントゲン投射量の測定並びに線量測定器を用いた,術者と介助者の放射線被爆量を測定した.【検討項目】1) 対象症例の内訳,2) 使用放射線量,3) 放射線被爆量【結果】1) 対象症例は膵癌 6例,総胆管結石 5例,胆石・胆嚢炎 3例,肝門部胆管狭窄 3例,良性胆道狭窄 2例,膵仮性嚢胞 1例,肝内胆管癌 1例,自己免疫性膵炎 1例,胆道出血 1例,レンメル症候群 1例であった.2) 平均検査時間 45分,平均撮影枚数 9.24枚,平均使用線量 186.27mSvであった.3) 術者の防護衣外 624.6μSv,防護衣内 19.6μSvであり,介助者の防護衣外 98.8μSv,防護衣内 3.67μSvであった.【結語】使用線量は決して少なくなくきちんとした被爆対策を行うことが必要である.また,被爆防護には,防護衣や透視機器からの距離が重要であることが再確認された.
索引用語 放射線被爆, 処置内視鏡