セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 003:

胃neuroendocrine carcinomaの一例

演者 小泉 忠史(北海道社会保険病院 消化器センター)
共同演者 古家 乾(北海道社会保険病院 消化器センター), 馬場 英(北海道社会保険病院 消化器センター), 定岡 邦昌(北海道社会保険病院 消化器センター), 関谷 千尋(北海道社会保険病院 消化器センター), 服部 淳夫(北海道社会保険病院 病理)
抄録 症例は81歳男性。虫垂切除の既往あり。検診で便潜血陽性を指摘され当科外来を受診した。触診では心窩部に腫瘤を触知した。血液検査では肝胆道系酵素の軽度上昇を認めた。腫瘍マーカーはCEA 21.2ng/ml、CA19-9 172.8U/ml、AFP 39.3ng/ml、可溶性IL-2レセプター 971ng/mlと上昇を認めた。EBVは既感染パターンであった。腹部CT検査では胃体部から前庭部にかけて著明な壁肥厚を認め、壁外に突出する130mm大の内部不均一な腫瘍と一塊となっていた。右噴門部、胃小弯、大弯、総肝動脈周囲に腫大したリンパ節や、多発する肝転移、骨盤腔に60mm大の播種、腹膜の肥厚、中等量の腹水貯留も認めた。上部消化管内視鏡検査では体部大弯に10mm大のBorrmann2型の進行胃癌を疑う病変と60mm大のSMT様の隆起性病変が隣接していた。生検では全者からは高分化管状腺癌、後者からはカルチノイド様の腫瘍が認められた。両者とも免疫染色はc-kit(-)、CD34(-)、S-100(-)、αSMA(-)、CK(++)、Synaptophysin(++)、MIB-1(++)であった。胃のHigh-grade neuroendocrine tumor:neuroendocrine carcinomaの診断となった。HER2が3+と強陽性であり今後化学療法を予定している。文献的考察を含め報告する。
索引用語 胃神経内分泌癌, 胃癌