セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 174:悪性リンパ腫治療中の高齢者に発生した形態学的胃リンパ球浸潤癌の1例 |
演者 | 中村 幸雄(札幌医科大学 医学部 第一外科) |
共同演者 | 信岡 隆幸(札幌医科大学 医学部 第一外科), 前佛 均(札幌医科大学 医学部 第一外科), 西舘 敏彦(札幌医科大学 医学部 第一外科), 木村 康利(札幌医科大学 医学部 第一外科), 水口 徹(札幌医科大学 医学部 第一外科), 古畑 智久(札幌医科大学 医学部 第一外科), 平田 公一(札幌医科大学 医学部 第一外科), 佐藤 康史(札幌医科大学 医学部 第四内科), 加藤 淳二(札幌医科大学 医学部 第一外科DELIMITER札幌医科大学 医学部 第四内科), 荻野 次郎(札幌医科大学 医学部 第一外科DELIMITER札幌医科大学 医学部 病理部), 長谷川 匡(札幌医科大学 医学部 病理部) |
抄録 | 【背景】癌組織内に著明なリンパ球浸潤を伴う胃癌症例の予後が良好であるという報告があり、その後、癌に対する宿主反応として間質に浸潤したリンパ球の関与が予後良好な理由として報告され、注目されてきた。今回、我々は悪性リンパ腫の加療中に胃内潰瘍性病変として発見された形態学的胃リンパ球浸潤癌の1 例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。【症例】90代女性。腋窩および背部皮内の腫瘤性病変のため近医受診。切除生検で悪性リンパ腫(diffuse large B cell lymphoma)と診断され、当院紹介。放射線治療を行っていた。経過中鎖骨上窩、頚部および脾臓に再発を認め、これらに対しても同様に放射線治療を行っていた。フォローアップ中のPET-CTで胃角部にuptakeを認め、上部消化管内視鏡検査で同部位に潰瘍性病変を認めた。生検でadenocarcinoma (por>tub2)と診断。手術目的に当科紹介となった。【手術】術前診断でcT1b(SM)、 cN0、 cM0、 cStage Iと診断し、腹腔鏡下幽門側胃切除術を施行した。術後合併症として特記すべき事項は認められなかった。【病理所見】腫瘍は粘膜内でtub2相当の腺癌であり、粘膜下層で索状構造を示し浸潤増殖していた。間質および腫瘍胞巣内に豊富なリンパ球浸潤を伴っていた。免疫染色では腫瘍細胞はEBER-1(-)であり、リンパ球浸潤癌としてはtypicalではないが、形態学的にリンパ球浸潤癌と考えられた。【結語】悪性リンパ腫治療中の超高齢者に発生した特殊型胃癌の1例を経験した。早期癌であるが、今後慎重なフォローアップを予定している。 |
索引用語 | 胃, 特殊型胃癌 |