セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 013:

キノコ中毒の2例

演者 宮本 秀一(苫小牧市立病院消化器内科)
共同演者 江藤 和範(苫小牧市立病院消化器内科), 小西 康平(苫小牧市立病院消化器内科), 武藤 修一(苫小牧市立病院消化器内科)
抄録 【症例1】70歳代,男性【現病歴】知人よりもらった白シメジを朝食に摂取した1時間後から夫婦共に下痢,嘔気を認めた.経過をみるも症状改善せず,発汗多量・倦怠感悪化のため救急要請.【既往歴】高血圧症,慢性腎不全,膀胱癌術後【搬入時現症】体温33.3℃,血圧119/76mmHg, 脈拍64回/分, 意識清明,神経学的異常所見なし.【症例2】70歳代,女性(症例1の妻)【現病歴】症例1と同様.【既往歴】高血圧症【搬入時現症】体温34.2℃,血圧180/90mmHg, 脈拍64回/分,意識清明,神経学的異常所見なし. 【経過】活性炭とクエン酸マグネシウム内服し,細胞外液の大量補液を施行した.同日夜には37℃台に両者とも改善.症例2は補液に反応良好で入院同日から利尿を認めるも,症例1は慢性腎不全もあることから反応不良.翌日には症例2も反応性に利尿を認めた.腹部超音波検査では,症例1では上行結腸の壁肥厚・層構造の不明瞭化を認め、腸炎像を認めた.症例2では特に所見なし.第2病日には両症例とも下痢・嘔気改善し,食事を再開.食事再開後も腹部症状再発なく経過し,第3病日に退院.保健所と確認した結果,白シメジではなくカヤタケ属の一種(和名なし)によるキノコ中毒が疑われた.キノコ中毒の2症例を経験した.若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語 キノコ, 中毒