セッション情報 一般演題(専修医(卒後3-5年))

タイトル 006:

当センターにおける、進行癌による胃出口部狭窄に対する内視鏡下に胃十二指腸ステント留置を行った7例に対する検討

演者 小泉 忠史(北海道社会保険病院 消化器センター)
共同演者 古家 乾(北海道社会保険病院 消化器センター), 馬場 英(北海道社会保険病院 消化器センター), 定岡 邦昌(北海道社会保険病院 消化器センター), 関谷 千尋(北海道社会保険病院 消化器センター), 服部 淳夫(北海道社会保険病院 病理)
抄録 症例1は64歳女性。癌性性腹膜炎を合併する胃癌により2010年9月に初診となった。DTX/S-1により化学療法を施行するも原発巣増大による幽門狭窄を来たし同年10月に胃十二指腸ステント留置術を施行した。症例2は71歳男性。横行結腸浸潤、癌性腹膜炎を合併した胃癌により2009年10月に初診となった。症例3は58歳男性。胆管細胞癌の診断で平成22年1月初診。2月からGEM/S-1により化学療法を開始した。同年11月幽門部から十二指腸にかけ狭窄を認め、胃十二指腸ステントを留置した。症例4は73歳女性。平成22年11月当科初診。膵体部癌による胃浸潤から幽門狭窄を来たしている状態であった。開腹所見では腹膜播種を多数認めバイパス術は困難と判断し同年12月に胃十二指腸ステントを留置した。症例5は81歳女性。平成24年6月に閉塞性黄疸で近医入院。膵頭部癌の診断となった。加療目的に同年8月当センターを紹介初診。S-1により加療を行うも原発巣の増大が認められた。十二指腸閉塞が時間の問題と考えられ同年10月に胃十二指腸ステントを留置した。症例6は69歳女性。閉塞性黄疸により平成24年2月紹介初診。膵頭部癌に対しS-1にて加療中。同年10月、原発巣増大による十二指腸浸潤から十二指腸狭窄を来たしており経口摂取が困難となり胃十二指腸ステントを留置した。症例7は82歳女性。近医により腹部超音波検査で胆嚢腫大を指摘され平成23年5月当科初診。肝転移を有する胆嚢管癌に対しGEMにより化学療法を行っていた。平成24年9月に原発巣増大による十二指腸浸潤により十二指腸が狭窄し嘔吐あり、経口摂取が困難な状態であった。全身状態から外科的バイパス術は困難であり同年11月に胃十二指腸ステントを留置した。従来、悪性腫瘍による胃十二指腸狭窄に対しては、外科的バイパス術を行えない場合には経口摂取が不可能、チューブの長期留置などが必要となりQOLを低下させる可能性があったが本治療を行うことで患者の症状を改善しかつQOLを維持することが可能と考えられた。
索引用語 癌, 胃十二指腸ステント