セッション情報 一般演題

タイトル 184:

胃glomus腫瘍の一例

演者 山本 桂子(恵佑会第2病院 消化器内科)
共同演者 小平 純一(恵佑会第2病院 消化器内科), 多羅澤 功(恵佑会第2病院 消化器内科), 岡原 聡(恵佑会第2病院 消化器内科), 大橋 広和(恵佑会第2病院 消化器内科), 松本 岳士(恵佑会第2病院 消化器内科), 高橋 宏明(恵佑会第2病院 消化器内科), 諏訪 高麿(恵佑会第2病院 消化器内科), 小池 容史(恵佑会第2病院 消化器内科), 穂刈 格(恵佑会札幌病院 消化器内科), 塚越 洋元(恵佑会札幌病院 消化器内科), 蔵前 太郎(恵佑会札幌病院 外科), 西田 靖仙(恵佑会札幌病院 外科)
抄録 (症例)20歳代女性
(主訴)貧血
(現病歴)平成24年6月から頭痛、動悸を自覚。近医にて感冒と診断されNSAIDを含む内服薬を処方。その後、黒色便を自覚したが、自然に消失した。7月になり歩行時の動悸が増悪し、7月10日に前医受診した。血液検査で高度の鉄欠乏性貧血、上部内視鏡検査で胃前庭部に粘膜下腫瘍を認めたため、当科紹介となった。
上部消化管内視鏡検査では前庭部前壁に3.0cm大、弾性硬の表面平滑な粘膜下腫瘍であった。EUSでは第4層内に境界明瞭な腫瘤を認め、内部エコーは均一な低エコーの中に高エコー部分が散在していた。腹部CT検査では、腫瘍部位は強く濃染された。腫瘍は血管豊富な組織であり、血管腫、GIST、神経鞘腫、glomus腫瘍などが鑑別に上がった。検査終了後、本人の都合で一時退院したが、8月下旬に貧血症状の増悪で近医受診、高度の貧血にて当院に救急搬送された。緊急内視鏡検査を行ったところ、粘膜下腫瘍の頂部に露出血管が見られ、以後数回の止血術を要した。8月29日、腫瘍郭出術を施行。病理組織学的には腫瘍主座は固有筋層にあり、不正に拡張を示す豊富な血管を介在し、核小体が顕在化した均一小型の類円形核と淡明な胞体をもつ類円形細胞が充実性に増殖していた。SMAにびまん性に陽性を示し、S-100, CD34, c-kitはいずれも陰性であった。HE染色、免疫染色の結果から、glomus腫瘍と判定した。
 海外からの報告では腫瘍表面の潰瘍形成により大量出血した報告がいくつか見られる。消化管glomus腫瘍の後発部位は胃とされるが、その報告は少なく、今回文献的考察を 加え報告する。
索引用語 胃粘膜下腫瘍, 血管