セッション情報 一般演題

タイトル 060:

O157LPS抗体にて診断されたO157感染症の1例

演者 寺門 洋平(札幌厚生病院 第一消化器科(胃腸科))
共同演者 西岡 均(札幌厚生病院 第一消化器科(胃腸科)), 道上 篤(札幌厚生病院 第一消化器科(胃腸科)), 西園 一郎(札幌厚生病院 第一消化器科(胃腸科)), 鈴木 肇(札幌厚生病院 第一消化器科(胃腸科)), 乙黒 雄平(札幌厚生病院 第一消化器科(胃腸科)), 菊池 仁(札幌厚生病院 第一消化器科(胃腸科)), 萩原 武(札幌厚生病院 第一消化器科(胃腸科)), 前田 聡(札幌厚生病院 第一消化器科(胃腸科)), 小澤 広(札幌厚生病院 第一消化器科(胃腸科)), 黒河 聖(札幌厚生病院 第一消化器科(胃腸科)), 今村 哲理(札幌厚生病院 第一消化器科(胃腸科))
抄録 症例は15歳女性,腹痛・発熱および水様性下痢にて当院受診,整腸剤および抗生剤を投与するも腹痛が持続したため,加療目的に入院となった.入院後下血が出現したため,大腸内視鏡検査(以下CS)を施行したところ,大腸粘膜の著明な肥厚・うっ血・易出血性を認めた.感染性腸炎を疑い,便および大腸粘膜から培養検査を施行するも,病原菌は検出されなかった.その後,急速な尿量減少・腎機能障害および貧血の進行し全身状態が悪化したため,透析導入および輸血を施行した.腸管出血性大腸菌感染症および溶血性尿毒症症候群(以下HUS)の併発を考え,血液検査にて抗O157LPS抗体陽性を確認し,O157感染症の診断となった.その後は,HUSがやや遷延したが血液透析および輸血を継続,全身状態は徐々に改善し退院となった.初回のCS施行20日後に経過観察目的に施行したCSでは,腸炎は改善し,異常所見を認めなかった.一般に,腸管出血性大腸菌(EHEC)の確定診断は糞便からの菌の分離培養によりなされるが,培養検査でも原因菌が検出されず血清診断にてO157感染症の診断となった1例を経験したので,臨床経過および内視鏡所見を合わせて,若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語 O157, HUS