セッション情報 一般演題(研修医(卒後2年迄))

タイトル

non-surgical pneumoperitoneumの一例

演者 平田 翔(市立小樽病院)
共同演者 安達 雄哉(市立小樽病院), 伊志嶺 優(市立小樽病院), 内藤 崇史(市立小樽病院), 矢花 崇(市立小樽病院), 後藤 啓(市立小樽病院), 鈴木 隆(市立小樽病院), 近藤 吉宏(市立小樽病院), 篠村 恭久(市立小樽病院)
抄録 【はじめに】腹腔内にfree airを認めつつも腹膜炎を伴わず、保存的に経過観察できるnon-surgical pneumoperitoneumと呼ばれるケースが稀に存在する。今回、我々はその一例を経験したので過去の症例報告のレビューを加えて報告する。【症例】82歳、男性。parkinsonism(多系統萎縮症疑い)のため当院神経内科を定期受診した際、体重増加、軽度の貧血進行を認めた。このためCTを撮影したところ腹腔内free airおよび肺水腫を認め、消化管穿孔疑いにて当科紹介となった。外科と相談の上、保存的に経過観察の方針となり、入院にて上下部消化管内視鏡検査を施行したがいずれも穿孔所見は認めなかった。腹膜炎の出現なく症状もないため、入院後8日目にfree airが残存したまま退院となった。その後施行した小腸ガストログラフィン造影検査でも異常を認めず、現在もfree airは残存しているが、無症状で外来経過観察中である。【考察】腹腔内にfree airが認められる症例の90%以上は消化管穿孔によるもので、腹膜炎の存在を根拠に緊急手術の適応となる。今回の症例は腹膜炎が存在しないnon-surgical pneumoperitoneumであった。non-surgical pneumoperitoneumの多くは経過中に腹腔内あるいは胸腔内にfree airの原因となる病態を特定しうるが、その中でも原因が特定できない症例を特発性気腹症spontaneous pneumoperitoneumと呼ぶ。今回の症例は各種検査で穿孔部位を特定できなかったため、現在のところ特発性気腹症と診断している。
索引用語 特発性気腹症, non-surgical pneumoperitoneum