セッション情報 一般演題

タイトル

B型慢性肝疾患に対するEntecavirの抗ウイルス効果の検討

演者 小関 至(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科))
共同演者 木村 睦海(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)), 荒川 智宏(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)), 中島 知明(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)), 桑田 靖昭(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)), 大村 卓味(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)), 佐藤 隆啓(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)), 髭 修平(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)), 狩野 吉康(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)), 豊田 成司(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科))
抄録 【目的】Entecavir (ETV)投与例の抗ウイルス効果について検討を行う。【対象と方法】1) 3年以上の継続投与が可能であったETV初回投与例191例を対象(他院開始例、予防投与例、LAMからの切り替え例は除外)とし、HBV DNA陰性化 (2.1logcopies/ml未満、以下単位略)率を治療前HBV DNA別、遺伝子型別に検討した。2) ETV投与例367例中、viral breakthrough (VBT ; nadirより2log以上の上昇)の頻度を算出した。1)の対象は男性125例・女性66例、e抗原陽性67例・陰性124例、年齢中央値56(23-82)歳、遺伝子型A/B/C/H/ND 4/36/147/1/3、HBV DNA中央値6.7(2.1-9.0)であった。 【成績】1) 191例のHBV DNA陰性化率は、投与1年/ 2年/ 3年/ 4年/ 5年/ 6年で、それぞれ、87% (167/191) / 91% (174/191) / 93% (178/191) / 95% (120/126) / 100% (63/63) / 100% (25/25)であった。治療前HBV DNA量別の解析では、DNA<5.0では、投与1年/ 2年/ 3年/ 4年/ 5年で、それぞれ、100% (35/35) / 94% (33/35) / 94% (33/35) / 100% (17/17) / 100% (11/11)、DNA5.0~6.0では、96% (27/28) / 100% (28/28) / 100% (28/28) / 95% (18/19) / 100% (10/10)、DNA6.0~7.0では、98% (52/53) / 94% (50/53) / 96% (51/53) / 100% (35/35) / 100% (19/19)、DNA7.0~8.0では、80% (36/45) / 93% (42/45) / 91% (41/45) / 97% (31/32) / 100% (20/20)、DNA8.0~9.0では、40% (10/25) / 64% (16/25) / 80% (20/25) / 79% (15/19) / 100% (2/2)であった。遺伝子型別の解析では、A型は、100% (4/4) / 100% (4/4) / 100% (4/4) / 100% (4/4) / 100% (1/1)、B型は、86% (31/36) / 92% (33/36) / 92% (33/36) / 87% (20/23) / 100% (11/11)、C型は、87% (132/151) / 91% (138/151) / 95% (143/151) / 98% (97/99) / 100% (51/51)であった。2) 経過観察中2例 (0.5%)でVBTを来たし、1例はETV耐性を認め、この2例ではTenofovirの投与を行った。 【結論】ETVでは良好な抗ウイルス効果が得られ、VBTは稀であったが、治療前DNA 8log以上の症例では、DNA陰性化に時間を要した。
索引用語 Entecavir, B型慢性肝疾患