セッション情報 一般演題

タイトル

Lamivudine耐性出現後の核酸アナログ治療の抗ウイルス効果の検討

演者 小関 至(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科))
共同演者 木村 睦海(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)), 荒川 智宏(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)), 中島 知明(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)), 桑田 靖昭(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)), 大村 卓味(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)), 佐藤 隆啓(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)), 髭 修平(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)), 狩野 吉康(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科)), 豊田 成司(札幌厚生病院・3消化器科(肝臓科))
抄録 【背景】Lamivudine (LAM)耐性例に対するAdefovir (ADV)併用療法では、ウイルス陰性化に時間を要し、5年以上の長期投与例においてもウイルス陰性化率は90%未満である。【目的】当院におけるLAMとADV併用療法のウイルス陰性化率を算出し、ADVとEntecavir (ETV)併用療法移行例の治療成績を加味したウイルス陰性化率を解析する。【対象と方法】1) 3年以上の継続投与が可能であったLAM とADV併用111例を対象とし、HBV DNA 3logcopies/ml(以下単位略)未満となった症例の割合を検討した。対象の内訳は、男性84例(76%)、e抗原陽性65例(59%)、年齢中央値56(29-78)歳、遺伝子型B/C/D 6/104/1、ADV併用時のHBV DNA中央値6.8(2.2-8.7)、観察期間中央値6 (3-10)年であった。なお、治療不応例(LAMとADV 併用2年以上投与でHBV DNA3log以上かつ多剤耐性検出なし)や多剤耐性出現のためADVとETV併用療法に移行した症例は、DNA 3log以上として算出した。2) ADVとETV移行例の治療成績を含めて、HBV DNA3log未満となった症例の割合を検討した。【成績】1) HBV DNA3log未満の割合は、投与1年/ 2年/ 3年/ 4年/ 5年/ 6年/7年で、それぞれ、64% (71/111) / 74% (82/111) / 79% (88/111) / 74% (72/94) / 78% (66/85) / 81% (52/64) / 85% (28/33)であった。2) LAMとADVに対する2剤耐性4例、LAMとETVに対する2剤耐性8例、計12例に対して、LAMとADV併用からADVとETV併用療法に切り替えた症例の投与1年/ 2年/ 3年/ 4年のHBV DNA3log未満の割合は、それぞれ、58% (7/12) / 73% (8/11) / 82% (9/11) / 88% (7/8)、LAMとADV併用不応にてADVとETV併用療法に切り替えた症例の投与1年/ 2年/ 3年/ 4年のHBV DNA3log未満の割合は、それぞれ、45% (5/11) / 50% (5/10) / 67% (6/9) / 100% (5/5)であり、1)のHBV DNA3log未満の割合をADVとETV併用移行例を含めて再計算すると、投与1年/ 2年/ 3年/ 4年/ 5年/ 6年/7年で、それぞれ、64% (71/111) / 77% (85/111) / 86% (95/111) / 88% (83/94) / 92% (78/85) / 92% (59/64) / 94% (31/33)であった。【結論】LAMとADV併用療法における効果不良例に対し、ADVとETV併用療法を行うことで、LAM耐性例に対する良好なウイルスコントロールが得られた。
索引用語 核酸アナログ治療, Adefovir